ディスプレー最大の国際学会「SID 2014」では、展示会でも中国企業の躍進が目立った。最も筆者の印象に残ったのが中国BOE Technology Group社の8K液晶パネルである。アモルファスSi(a-Si)TFTを用いて画面4分割、60Hz駆動である。応答速度の遅さだけは気になってしまうが、コントラストも高く、8Kの解像度を堪能できる。やはりこの画面サイズで画素が見えないというのは素晴らしい。筆者がこれまでに見た直視型の8K液晶ディスプレーの中では一番の出来だと感じた。

 今回の8K液晶パネルは、4分割駆動をしているが、その継ぎ目は見えない。コントラストも高く、均一性も良いので、8Kの映像を十分に楽しめる。展示会全体で最も印象に残ったパネルである。a-Si TFTパネルに関しては、既にBOE社は世界トップクラスの実力を付けている。次はぜひ酸化物TFTを使って、120Hz駆動を実現してほしい。

BOE社の8K液晶パネル
a-Si TFT駆動で画面サイズは98型。
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