2014年6月9~13日に米国ホノルル で開催される半導体デバイス/回路技術に関する国際学会「2014 Symposia on VLSI Technology and Circuits」をレポートする。
VLSIシンポジウム
2014年6月9~13日、米国ホノルル
目次
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ReRAM材料やジャンクションレス構造の適用など、Ge MOSFETで斬新な提案が相次ぐ
「2014 Symposium on VLSI Technology」のセッション「Advanced CMOS Technology III - Ge Devices」(Session 9)では、Geをチャネル材料に含むMOSFETというテーマで、さまざまな切り口から物性を引き出そうとする研究が4…
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5nm世代に向けたCu配線技術を議論、Intelが指針示す
「2014 Symposia on VLSI Technology and Circuits」(2014年6月9~13日、米国ホノルル)では、配線技術をテーマとするフォーカス・セッション「Interconnect」(Session 16)が開催された。Cu配線は1990年代後半にLSIに導入された…
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サイドチャネル攻撃への対策技術など、暗号セキュリティー関連の注目論文が相次ぐ
「2014 Symposium on VLSI Circuits」の最終日の午前には、デジタル信号処理とプロセッサー回路に関するセッション「SOC Circuits & Processors」(Session 16)が開かれた。発表の中心は、暗号処理とセキュリティー対策回路技術に関するものである。
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トリリオン・センサー時代に向けて、センサーノード用無線トランシーバの低電力化が進む
「2014 Symposium on VLSI Circuits」のSession 7「Sensor Node Radios」では、無線センサーノード用トランシーバの低電力化に関する技術が報告された。“Trillion sensor universe”というキーワードが定着しつつあるが、その実現に…
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微細化を補う性能向上プロセス技術の発表が相次ぐ
トランジスタの寸法縮小による性能向上(スケーリング)の継続が技術的にも経済的にも難しさを増している中で、それ以外の方法による性能向上が研究されている。例えば、チャネル材料をSiに比べてキャリア移動度の高いIII-V族化合物半導体やGeに変え、同じトランジスタ寸法で性能向上を図る手法などがそれに相当…
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IoT時代にふさわしいデバイス/回路の姿とは、微細化至上主義からの脱却が鮮明に
いよいよIoT時代の幕開けである。IoTの基盤を支えるセンサーネットワークは、環境発電電力のような微弱な電力で動作する必要がある。そのため、搭載するLSIもこれまでよりも格段に低消費電力化しなければならない。それには、微細化などのデバイス技術だけでなく、回路技術との協調が不可欠だ。
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「紙」に印刷技術で不揮発性メモリー、シュレッダーにもかけられる
「2014 Symposium on VLSI Technology」の会期2日目(米国時間6月11日)朝には、「Emerging memory」に分類される新型メモリーに関するセッション(Session T7)が開催された。新型メモリーを対象とするだけに内容は多岐に渡り、質疑応答やセッション終了…
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非侵襲の血糖値センサーや心電図を測れるTシャツなど、ヘルスケア向けの発表相次ぐも日本は不在
「2014 Symposium on VLSI Circuits」では、Executive Panel Lunchに続く午後最初のセッションとして、医療・ヘルスケア向け半導体技術を扱う「Medical Imaging」(Session 13)が行われた。
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Samsung、TSVを用いた3次元DRAMの2014年内の量産開始を宣言
「2014 Symposia on VLSI Technology and Circuits」(2014年6月10~13日、米国ホノルル)のSession 4「Circuits/Technology Joint Focus Session: 3D Circuits and Application」…
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フラッシュメモリーのビット誤り訂正技術回路の高機能化の発表が相次ぐ
「2014 Symposia on VLSI Technology and Circuits」における不揮発メモリーのセッション「Circuits/Technology Joint Focus Session - Non-Volatile and Emerging Memory--- 」では、半分…
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わずか4μm厚のウエハーでもDRAMは動く、東工大やディスコなどが実証
「2014 Symposium on VLSI Technology」のセッション「3D Memory & Emerging Devices」(Session 3、11)では、新型不揮発性メモリーと3次元化メモリーに関する8件の最新の研究成果が報告された。
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ルネサス、モーター制御のプリドライバ機能を酸化物半導体トランジスタで実証
ルネサス エレクトロニクスは、マイコンやSoCと外部機器との接続を担うオンチップ電源インターフェース回路に向けた、酸化物半導体トランジスタの高性能化技術を開発した。InGaZnOを用いたn型トランジスタの駆動能力を高めることで、モーター制御におけるプリドライバ機能を担えることを実証した。さらに、S…
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SSDは100年を超える長期アーカイブにも使える、TLC NANDの信頼性向上技術を中央大学が開発
中央大学 理工学部 電気電子情報通信工学科 教授の竹内健氏のグループは、NANDフラッシュメモリーを記憶媒体とするSSDのエラー発生率を、用途に応じた最適制御によって低減するSSDコントローラー技術を開発した。これにより、100年以上といった長期間にわたってデジタルデータを保存するアーカイブ用途に…
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IoTの鍵を握る、無線センサーノード向け電源回路に着実な進化
Internet of Things(IoT)で用いられる無線センサーノードは数が多いため、バッテリー交換の手間が嫌われる。そこで、エネルギーハーベスティングにより、バッテリー交換なしで無線センサーノードを半永久的に動作させることが期待されている。ここで、キー技術となるのが無線センサーノード向けの…
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湾曲イメージセンサーや14~10nm世代CMOSなど、注目論文が続々登場
「2014 Symposium on VLSI Technology」(2014年6月10~12日、米国ハワイ州ホノルル)では、開幕後の2件の基調講演に続きハイライト論文のセッションが行われた。選ばれた論文は4件である。
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カーボンナノチューブを用いた「NRAM」、万能なメモリー特性を中央大学とNanteroが実証
中央大学 理工学部 電気電子情報通信工学科 教授の竹内健氏のグループと米Nantero社は共同で、カーボンナノチューブを用いた新型不揮発性メモリー「NRAM」が、メインメモリーからストレージまでの幅広い用途に対応できる、優れた特性を備えることを実証した。NRAMに適した書き込み手法を導入することで…
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DRAM/SoCの高速インターフェースを慶応大が磁界結合で実現、性能のスケーリングシナリオも示す
慶応義塾大学 理工学部 電子工学科 教授の黒田忠広氏のグループは、磁界結合通信を用いたDRAMとSoCの高速インターフェース技術を開発した。チップ間のデータ通信を磁界結合で行い、チップへの電源供給とテスト用データ通信は、新規に開発したウエハーレベルパッケージ(WLP)で実現する。データ転送速度は3…
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東芝、MONOSフラッシュを用いて不揮発性FPGAを高速化
東芝は、MONOS(Metal-Oxide-Nitride-Oxide-Silicon)型のフラッシュメモリーをプログラム素子に使うFPGAを考案し、「2014 Symposia on VLSI Technology and Circuits」(2014年6月9~13日、米国ホノルル)で発表した(講…
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データセンター向けSSDを狙う高速・低電力の「TRAM」など、LEAPが4件を発表
超低電圧デバイス技術研究組合(LEAP)は、0.4V程度の低電圧で動作する論理回路/メモリー/ストレージに向けた要素技術3件を開発した。半導体デバイス/集積回路技術に関する国際会議「2014 Symposia on VLSI Technology and Circuits」(2014年6月9~13…
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東芝、業界最高性能のキャッシュメモリーを実現するSTT-MRAMを開発
東芝は、マイクロプロセッサー向けキャッシュメモリーとして業界最高の性能を実現できるSTT-MRAM(スピン注入磁化反転型MRAM)を開発した。キャッシュに使うSRAMを今回のSTT-MRAMに置き換えることで、プロセッサーの消費電力の大半を占めるキャッシュメモリーの消費電力を約60%低減できるとい…