講演の様子
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ソニーの医療用3D HMD
ソニーの医療用3D HMD
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会場内で実施された実機デモの様子
会場内で実施された実機デモの様子
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 2014年5月26日に開催された「次世代医療機器サミット2014」(主催:日経デジタルヘルス)では、「3D HMD(ヘッドマウント・ディスプレイ)が拓く、新たな手術の世界」と題して、ソニー イメージング・プロダクツ&ソリューションセクター プロフェッショナル・ソリューション事業本部 メディカル・ソリューション事業部 商品企画部の肥後智之氏が講演した。

 肥後氏が紹介したのは、ソニーが2013年8月に発売した、3D対応の外科用内視鏡と組み合わせて使う3D対応のHMDである。執刀医が頭に装着し、内視鏡からの映像を目の前で直接見ることができる機器だ(関連記事)

 ソニーが既に発売済みの民生向け3D HMDをベースに、医療現場に対応した設計に変更したことを説明した。例えば、頭部への装着性を高めて長時間の利用に対応させたり、調整用の小窓を設けて仮にずれた場合に術者以外が調整できたりるようにしたという。さらに、手元が見える構造にすることで、器具の受け渡しを容易にした。この他、EMCやリーク電流の対策についても、医療用ならではの苦労があったと肥後氏は語った。

 発売後、半年以上が経過したが、会場からは販売台数に関する質問も出た。これに対して肥後氏は、「台数については明らかにできないが、泌尿器科での採用が最も多い。術野が狭いので3Dが有効な診療科なのだと思う。さらに、脳外科においても少しずつ使われてきた」と回答した。

 肥後氏は、医療用3D HMDの今後の展開として、内視鏡用途だけではなく、放射線系、顕微鏡系、超音波系などさまざまな用途への展開が見込めるとした。

 講演会場には実機を用意した。講演後の休憩時間には、装着感や表示映像を確かめようとする来場者の人だかりができていた。