図1 サッカーファン向けのPhilipsブランド「アンビライトテレビ」
図1 サッカーファン向けのPhilipsブランド「アンビライトテレビ」
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図2 アプリケーションをダウンロードすると、贔屓チームの旗の色がアンビライトに投影されるようになる(1)
図2 アプリケーションをダウンロードすると、贔屓チームの旗の色がアンビライトに投影されるようになる(1)
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図3 アプリケーションをダウンロードすると、贔屓チームの旗の色がアンビライトに投影されるようになる(2)
図3 アプリケーションをダウンロードすると、贔屓チームの旗の色がアンビライトに投影されるようになる(2)
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図4 アプリケーションをダウンロードすると、贔屓チームの旗の色がアンビライトに投影されるようになる(3)
図4 アプリケーションをダウンロードすると、贔屓チームの旗の色がアンビライトに投影されるようになる(3)
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図5 オーディオ分野でアンビライトと同様の機能を取り入れたヤマハのスピーカー「Relit」。光も音も壁に反射する
図5 オーディオ分野でアンビライトと同様の機能を取り入れたヤマハのスピーカー「Relit」。光も音も壁に反射する
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 背面が光るテレビ、Philipsブランドの「アンビライト(Ambilight)」が、さらに面白く進化した(図1~図4)。日本ではPhilipsブランドのテレビは販売されていないので、アンビライトといってもイメージが湧かないが、テレビのフレームや背面にRGBのLEDを配し、壁に反射する色を楽しむユニークなテレビだ。赤の画像では赤に、青の画像では青に光るのである。

 アンビライトはオランダRoyal Philips社が10年前に開発した機能だ。欧州でのテレビの置かれ方や見られ方を研究し、比較的暗い環境と色温度の低い照明の下で、壁がカラフルに光ると、テレビを視覚的かつ心理的によりエモーショナルに楽しめることを発見した。欧州の、光を尊重する文化ならではの機能だ。この10年間で、多数のアンビライトテレビを出荷してきた。LEDの数を増やし、テレビの4辺のフレーム全体にLEDを配すなど、年々充実させ、今やPhilipsといえばアンビライトという定評を得ている。

 Philips社自体はテレビ事業から撤退したが、跡を継いだTP Vision社(台湾のテレビ製造会社TPV Technology社との合弁会社)は2013年にアンビライトの4Kテレビを商品化している。「IFA 2013」では、アンビライトと同じ色を連動して表示する独立型の室内設置の「HUEライト」を紹介。テレビ背面も前面もアンビライトで覆う、実にヨーロピアンな提案だ。「アンビライトは購入者には非常に評判がよく、Philipsのテレビを再度買う人の80%は、このアンビライト機能があるから買ってくれています」と、昨年のIFAでTP Vision社の担当者が述べていた。

 さすがに、アンビライトはあまりにPhilips的なので、テレビでの追随は出ていない。しかし、オーディオ分野では、ヤマハがアンビライト的なスピーカー製品「Relit」をIFA 2013で発表した(図5)。塔の形をしたスピーカーで、トゥイター以外の4ユニットは後ろに向いている。壁反射で、アンビエント的な広がりのある音を出す。そこに6つのLEDライトが灯り、光も音も壁に反射するという算段だ。まさに「音のアンビライト」。

 今年(2014年)のPhilipsのアンビライトテレビはさらに進化した。新型の「8000シリーズ」はOSをAndroidにした。さらに、アンビライトにさまざまな仕掛けが入った。まず、アプリケーションをダウンロードする。すると、ひいきのサッカーチームが勝つと、チームの旗の色が後ろで光る(図2~図4)。試合会場でウエーブが始まったら、その騒音をセンシングし、アンビライトが色でウエーブを演出する。Androidでのゲームに連動して、色で興奮を高める仕組みも取り入れた。アンビライト以外では、カメラで視聴者との距離を計り、それに応じた画質調整を自動的に行う機能も開発した。

 話題満載のアンビライト4Kテレビは2014年夏に向けて市場投入予定だという。