村田製作所の中嶋氏
村田製作所の中嶋氏
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講演中の様子
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 2014年4月23日に開催された「ミリ波応用カンファレンス」で、村田製作所が「IEEE802.11ad/WiGigの概要と対応アンテナの開発」と題して講演した。60GHz帯の電波の特性を踏まえると、用途に応じたアンテナの構成と実装が重要になるとして、開発中のRFモジュールのコンセプトを紹介した。

 登壇したのは、同社 技術・事業開発本部 デバイス開発センター R-PJT-5 チームリーダーの中嶋 政幸氏である。同氏は、携帯電話機で使う800MHz/1.5GHz帯や無線LANで使う2.4GHz/5GHz帯と比べて、60GHz帯は「(1)電波の減衰が大きい(飛ばない)、(2)障害物で途切れやすい、(3)偏波で受信電力が大きく変わる、(4)伝送損失と寄生成分の影響が大きい」と、特性を説明した。

 60GHz帯の特性は、メリットにもなるが、デメリットにもなる。デメリットを回避するためには、(1)(2)に対してはビームフォーミングで指向性を持たせる、(3)に対しては偏波面を合わせずに済む円偏波や両偏波を採用する、(4)に対してはアンテナとRF回路を近づけてRF信号の伝送距離を短くする、といった手段が利用できる。そのいずれでもカギを握るのがアンテナの実装になる。