出展したIngenia CX
出展したIngenia CX
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 フィリップス エレクトロニクス ジャパンは、MRIの新製品「Ingenia CX」を発売し、「2014国際医用画像総合展(ITEM 2014)」(2014年4月11~13日にパシフィコ横浜で開催)に出展した(リリース)。磁場コイルの性能を高め、高速撮影時の画質を高めたことが特徴だ。3T(テスラ)と1.5Tの2品種を、大学病院や総合病院向けに提供する。

 最大傾斜磁場強度は、3Tの品種で80mT/m、1.5Tの品種で66mT/mといずれも高い。これにより、頭部の高速撮影や、心臓撮影時の画質が向上するという。A-D変換器をRFコイルに内蔵し、コイルから先はデジタル化された信号を伝送する技術「dStream」も搭載した。信号強度比が改善するため、撮像倍速を高めてもアーチファクト(雑音)が増えにくい。

 新しいDWI(diffusion weighted imaging)法である「TSE DWT」と「LIPO」も搭載した。DWI法は水分子のブラウン運動を強調した画像で、頭部では急性脳梗塞、腹部では腫瘍の描出などに用いる。TSE DWTは側頭葉を撮影する際などの画像ひずみを抑えることができ、LIPOでは腹部や乳腺を撮影する際のアーチファクトを抑えられるという。

 ガントリー開口径は600mmと、標準的なMRI装置(700mm)に比べると狭い。「臨床画像にこだわった設計の結果」(フィリップスのブース説明員)という。