出展したRevolution CT
出展したRevolution CT
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心臓部品である「3Dコリメーター」
心臓部品である「3Dコリメーター」
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 GEヘルスケア・ジャパンはX線CT装置の最上位機種「Revolution CT」を発売し、「2014国際医用画像総合展(ITEM 2014)」(2014年4月11~13日にパシフィコ横浜で開催)に出展した(リリース)。画質(分解能)、撮影速度、撮影範囲(カバレージ)という3大要件のすべてを満たす「革新的なX線CT装置」(GEヘルスケア・ジャパン 代表取締役社長兼CEOの川上潤氏)と位置付ける。これまでX線CT装置での対応が難しいとされてきた心臓の撮影などに向ける。

 X線CT装置では一般に、画質と撮影速度、撮影範囲はトレードオフの関係になる。このため、臨床現場のニーズに応じていずれかの要件に特化して性能を伸ばすアプローチが採られてきた。これに対し、Revolution CTはこのトレードオフを解消する。「ハードウエアからソフトウエア、アルゴリズムまでをすべて見直し、技術の枠を結集した」(川上氏)とする。分解能は0.23mm、撮影速度は0.28秒/回転、撮像範囲は160mmである。ガントリーには、撮影速度のさらなる高速化を見据えた設計を採用しているという。

日本製部品が心臓部を担う

 トレードオフ解消に特に大きく貢献したのが、X線の進路を制御する「3Dコリメーター」と呼ぶ機構部品だ。従来、撮影範囲を広げると散乱X線による影響で画質が低下しやすかったが、3Dコリメーターを採用することでこの課題を克服した。散乱X線量を従来比で50%以上低減できるという。この部品はGEヘルスケア・ジャパン 日野本社で開発した。製造についても世界に複数あるGEヘルスケアの生産拠点の中で唯一、日野工場が担う。

 Revolution CTのメリットが最大限に発揮されるのは心臓の撮影という。心臓は動きが激しい臓器のため、X線CT装置での撮影が一般に難しい。心拍数を抑えるための薬剤(βブロッカー)などが必要だ。今回の装置は高速で高分解能の撮影が可能であることから、薬剤による心拍コントロールを不要にできるという。