新製品を発表する東芝の綱川氏
新製品を発表する東芝の綱川氏
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出展したCelesteion
出展したCelesteion
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 東芝メディカルシステムズは、PET装置とX線CT装置を一体化したPET-CT装置を「2014国際医用画像総合展(ITEM 2014)」(2014年4月11~13日、パシフィコ横浜)に出展した。2014年4月11日に日本国内で販売を開始した(リリース)。

 同社は2006年に、ドイツSiemens社との提携関係の下でPET-CT装置を市場投入している。ただしPETとX線CT装置のガントリが分離したタイプで、その後はSiemens社との提携も解消していた。今回製品化したPET-CT装置「Celesteion」は現在の主流である、PETとX線CT装置のガントリを一体化させたタイプである。事実上、PET-CT装置市場に新規参入する形だ。

国内で20%超の市場シェア狙う

 同社は2014年4月11日に、ITEM 2014会場のパシフィコ横浜で新製品発表会を開催。登壇した同社社長の綱川智氏は「今回の製品にはかなり手ごたえがある。展示会場で早速、詳しい説明を聞きたいと声を掛けられた」と自信をのぞかせた。PET-CT装置は、がん診断向けに市場成長が見込めることに加え、アルツハイマー病の診断向けなどでも将来性があると同社はみる。Celesteionでは発売初年度に国内で10台の販売を計画しており、台数ベースで20%を超える市場シェアを狙う。

 今回の製品で訴求するのは、大きく三つの特徴である。第1に、最先端のPET技術を搭載した。画質改善の指標となるTOF(time of flight)の時間分解能では、業界最高水準をうたう450ps(ピコ秒)以下を実現している。光学系や回路・処理系の最適設計によるものという。これにより、コントラストの高いPET画像が得られるようにした。

 第2に、PET-CT装置として業界最大のガントリ口径を採用した。これにより、検査を受ける患者の心理的不安を軽減できるという。ガントリ口径はCT部が900mm、PET部が880mm。有効スキャン視野(FOV)も700mmと従来の500~550mmに比べて広げ、全身検査に対応しやすくした。

 第3に、低被曝のCT技術を採用した。被曝量を従来比で最大75%低減できる「AIDR 3D」技術を標準搭載する(関連記事)。