開発したコイル(右の二つ)
開発したコイル(右の二つ)
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展示の様子
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 TDKは、ウエアラブル機器や医療機器に向ける小型で低出力の非接触充電用コイルを開発し、「MEDTEC Japan 2014」に出展した。Qi規格と同じ電磁誘導方式だが、同規格対応のコイルに比べて小型化し、ウエアラブル機器などの充電に使えるようにした。2014年中の製品化を目指す。

 コイルを小型化した分、出力は2W未満とQi規格対応コイル(約5W以上)に比べて小さい。ただし電動歯ブラシのように家庭で充電することを想定した場合、この出力で十分だとTDKは説明する。小型化により、フェライトシートに貼り付けたコイルの柔軟性(フレキシビリティ)が増し、機器設計の自由度も増すという。

 現行のウエアラブル機器はUSB端子などを介して充電することが多いが、コネクタを損傷しやすいなどの課題がある。充電を非接触化することでこうした問題を防げる。

 ウエアラブル機器の他、医療機器への搭載も見込んでいるという。具体的には補聴器や、超音波診断装置の探触子(プローブ)などだ。非接触充電によってプローブをワイヤレス化できれば、プローブの可動範囲が増すことに加え、使用後に洗浄しやすくなるなどの利点が得られる。