光電子倍増管を集積した150mmウエハー
光電子倍増管を集積した150mmウエハー
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展示の様子
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 浜松ホトニクスは、Siウエハー上に集積して製造できる小型の光電子倍増管「μPMT(micro photo multiplier tube)」を「MEDTEC Japan 2014」に出展した。これまで「ほぼ一つひとつ手作りだった」(同社)という光電子倍増管を、半導体プロセスで製造できるようにした。2013年に技術を確立しており、今回の展示では医療分野への応用を提案した。

 光電子倍増管を半導体プロセスで製造することで、「受注生産個数が1万個を超えるような場合、従来に比べて製造コストを桁違いに下げられる」(浜松ホトニクス)。ただし、光電変換部の性能確保のハードルが従来手法に比べて高まるという。そのため、従来は可視光領域(波長650nm以下)までの光にしか対応できなかった。

 今回はこれを近赤外領域(850nm以下)まで対応できるようにした。医療機器では近赤外光を使うことが多いため、医療分野に応用が広がる。マイクロ流路を使った細胞の蛍光分析装置の検出器などに使える可能性があるという。

 μPMTは顧客による性能評価中で、要望があれば生産に対応できるとする。製造は自社で手掛ける。ブースでは6インチ(150mm)径のSiウエハーに集積したμPMTを展示している。