血管を色分けした生体モデル
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解剖学にも有効だと説明
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さまざまな色を再現可能
さまざまな色を再現可能
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 ファソテックは、2014年4月9~11日に東京ビッグサイトで開催している「MEDTEC Japan 2014」において、3Dプリンターで造形したマルチカラーの生体モデルを展示した。ストラタシス・ジャパンが同年2月に国内販売を開始したばかりの3Dプリンター「Objet500 Connex3」を利用して実現したものである。

 ファソテックは現在、3Dプリンターを利用した「メディカルエンジニアリングサービス」を展開している。画像診断装置で撮影したデータを基に、忠実な3次元の生体モデルの造形を請け負うサービスである。手術のシミュレーションや教育などのために、3次元の生体モデルを利用したい医療機関などに向ける。

 これまでは、2種類の材料を混ぜ合わせて造形できるストラタシス社の3Dプリンターを利用していた。一方の材料を透明な素材にすれば、人体内部の骨や腫瘍などの位置を外部から確認できる生体モデルになったり、固さが異なる素材を利用すれば生体の部位による感触の違いなども再現できたりするのが特徴だった。

 これに対して今回利用した最新の3Dプリンターは、3種類の樹脂を同時に使用可能であるのが特徴。シアン、マゼンタ、イエローの樹脂を組み合わせることで、マルチカラーの造形を実現できるようになった。

 これにより、「動脈、静脈、門脈をそれぞれ色分けした生体モデルを造形できるようになった。解剖学などへの応用範囲も広がる」(ファソテック)と説明する。今後、同社が展開するメディカルエンジニアリングサービスにおいても、今回のマルチカラーの生体モデル造形のラインアップを加えていく考えだという。