携帯電話機やPCに入っているプロセッサーICは、複数のプロセッサーコアを集積していることが多い。最近では、ちょっとスマホに詳しい中学生ならば、デュアルコアやクアッドコアの意味を知っている。

 半導体の技術的にはマルチコアプロセッサーICは実現可能になって久しいが、その適用先どこまで広がるのか。ドイツのドレスデンで開催中の国際学会「DATE 14:2014 Design, Automation and Test in Europe」(3月28日まで)で、「クリティカルなリアルタイム性が求められる自動車や航空機などでマルチコアのシステムを利用できるか」との議論があった。セッション番号4.2の「Hot Topic: Multicore Systems in Safety Critical Electronic Control Units for Automotive and Avionics」がそれである。

 講演者は4名。独Audi社のRolf Schneider氏、欧州協同Airbus Defence and Space社のOttmar Bender氏、Airbus親会社の「欧州協同European Aeronautic Defence and Space社」の研究機関であるEADS Innovation Works社のJan Nowotsch氏、そして、独Technische Universität MünchenのAndreas Herkersdorf氏である。4名による全発表は、欧州の自動車鉄道航空機にマルチコアシステムを使おうという「ARAMiSプロジェクト」(ホームページ)のコンセプト説明と最新の成果に関するものである。