図●東芝 ヘルスケア事業開発部 担当部長(事業統括)の西原栄太郎氏
図●東芝 ヘルスケア事業開発部 担当部長(事業統括)の西原栄太郎氏
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 予後・介護については、東芝は「安心して自宅で生活できるように、家族や介護者の負担を軽減するサービスを提供する」ことを目標としている。その主な対象は、シニア向けの在宅支援と予後の在宅ケアの支援という。中でも同社が強く意識しているのが、元気なシニア世代を応援することである。例えば、離れて暮らす家族がシニア世代の健康状態を見守ったり、シニア世代と離れた家族の間でより簡単にコミュニケーションを取れるようにしたりするなど、社会とのつながりを大切にできる環境を構築することという。

 さらに、西原氏によれば、介護の現場は多職種連携の典型。多くの職種の人々が少ないストレスで必要な情報を共有できる仕組みを提供することも重要だという。同社では、スマートフォンを活用し、つぶやくだけで音声を簡単に入力でき、かつ音声として情報を共有できる他、音声認識技術により請求書やレポートに利用可能なテキスト情報も残せる技術を開発しており、現在は実証実験中という。

 最後の健康増進に関しては、きれいな空気、安全な水や食材の提供を支援することが目標だ。吹き付けるだけで消臭できるスプレーの技術や、限られた光量で菌やウイルスを分解できる光触媒の技術、小型の浄水装置の技術、植物工場の技術などを活用して、そうした支援を実施していこうと考えている。