写真1●OSS/BSSとNFVを連携させるシステムを構築
写真1●OSS/BSSとNFVを連携させるシステムを構築
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写真2●いわゆるサービスチェイニングをOSS/BSSから構成するデモ環境を構築
写真2●いわゆるサービスチェイニングをOSS/BSSから構成するデモ環境を構築
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写真3●ホームゲートウエイ機能の一部を通信事業者の網側に吸収する「vCPE」のデモも実施
写真3●ホームゲートウエイ機能の一部を通信事業者の網側に吸収する「vCPE」のデモも実施
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写真4●DHCP機能を仮想的に網側で構築。通信事業者にとってはユーザーサポート業務を軽減できるメリットがある
写真4●DHCP機能を仮想的に網側で構築。通信事業者にとってはユーザーサポート業務を軽減できるメリットがある
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 スペインバルセロナで開催中の「Mobile World Congress 2014」では、通信インフラベンダー各社から続々と「NFV(Network Functions Virtualisation)」のソリューションが登場している(関連記事:NFVが変える通信の未来)。

 NECは昨年のMWCの段階で、携帯コア網であるEPC(Evolved Packet Core)を汎用サーバーの仮想化基盤上で動作させる「vEPC(Virtualized Evolved Packet Core)」のデモを実施(関連記事:[MWC2013]NECが携帯コア網の仮想化を実機デモ、テレフォニカとも共同研究を実施)。2013年10月にはvEPCのソリューションを商用化し、ミャンマーに実際に導入するなどNFVの商用化をリードしている(関連記事:NECがNFVを商用化、まずは仮想化モバイルコア「vEPC」を販売開始)。

 そんなNECはMWC2014において、通信事業者の実際のビジネス環境により沿った形でNFVの展示を実施している。通信事業者が通常、通信システムの運用管理やビジネス支援のために利用している「OSS/BSS(Operation Support Systems/Business Support Systems、両者を合わせてTOMSとも呼ばれる)」とNFVを連携させるデモだ。

 NECは通信事業者向けにOSS/BSSを統合的に提供する米ネットクラッカーを子会社化している。そのネットクラッカーのOSS/BSSから、NFVのオーケストレーターを叩き、仮想化基盤上に構成したネットワークノードをコントロールできるシステムを構築した(写真1)。

 デモではNFVのユースケースの一つであるサービスチェイニングを構築(関連記事:[3]宅内機器が消える?NFVが変える通信サービス)。OSS/BSSからの指示によって、仮想化基盤上にEPCやビデオサービス、インスタントメッセージなどのノードを立ち上げ、これらの要素をつなぎ合わせることで新たなサービスを実現する様子を見せた(写真2)。

 もう一つ、NFV関連では「vCPE(Customer Premisies Equipment)」と呼ばれるデモも実施していた。こちらも通信事業者向けのソリューションで、ユーザーに提供するホームゲートウエイの機能の一部を、通信事業者の網側に仮想的に構築するようなソリューションだ(写真3)。

 例えばホームゲートウエイの機能から、DHCPやUPnPといった機能を通信事業者の網側に各ユーザーごとに仮想的に構築する。こうすることで、通信事業者にとってはユーザーのサポート業務を軽減できるほか、ホームゲートウエイ機能を簡素化できるメリットがある。

 デモではDHCP機能を仮想的に網側で構築する様子を見せていた(写真4)。なおこちらのvCPEソリューションはスペインテレフォニカとトライアルを実施中で、6月にもブラジルで商用化する見込みという。

この記事はITpro【ニュース】から転載したものです。