Samsung Electronics社のBDプレーヤー内蔵のマルチチャンネルシステム
Samsung Electronics社のBDプレーヤー内蔵のマルチチャンネルシステム
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 もう一つスタジオ側が狙っているのが、ユーザーデータである。4K対応プレーヤーからコピーする時にクラウドで認証するわけで、その時、「この人は、こういう傾向のコンテンツが好き」というデータが手に入る。そこから、興味を持ちそうな新作の案内、ライブへの招待……などさまざまな関連ビジネスにつなげられる。

 「デジタルブリッジ」の必要性については各スタジオの認識は共通しているものの、著作権保護方式については意見が分かれている。そこで、その差を吸収する標準ファイルフォーマット(SFF)の創設が検討されている。民生機器メーカーは今、解像度を保ちながらコンテンツをSDメモリーカードなどにコピーできるエコシステム「SeeQValt」(シーキューボルト)に、ブリッジメディアの役割を担わせる方向も模索している。

 スタジオ側の役者は米Sony Pictures Entertainment社、米Twentieth Century Fox Film(20th Century Fox)社、米Warner Bros. Entertainment社、米Universal Pictures社、米The Walt Disney社などだが、“オールソニー”で4Kワールドを推進しているSony Pictures Entertainment社が中でも熱心だ。民生機器メーカーではソニーと韓国Samsung Electronics社が旗振り役である。その他の検討項目を以下に挙げる。

検討項目は山積み

 (2)画質的な新規性。HDR(ダイナミックレンジを黒方向と白方向に拡張する技術)を採用する可能性が高い。スタジオ側の中には、消費者が違いを認識できるという点では、「4KよりHDRを推進したい」という意見もある。米Dolby Laboratories社は「DolbyVision」というエンド・ツー・エンドのHDRソリューションをUHDタスクフォースで提案する構えだが、その他にもさまざまなHDRソリューションが提案される運びだ。

 (3)その他の検討項目には、従来のBD用の著作権保護方式「AACS」に替わる4K用の著作権保護、ハイフレームレート、音声のマルチチャンネル方式……などがある。

 以上を2014年いっぱいで決めなければいけないとなると、相当大変な作業になる。従って、遅れるかもしれない。2015年のCES発表は重要なターゲットだ。