1月7日から米国で開催中の民生機器関連の展示会「2014 International CES」では、モバイル端末での応用を目指した変わり種の機器間インターフェースが登場している。
カナダのNano Magnetics社は、磁気を用いてモバイル端末同士を接続するコネクタに、高速データ通信と電力供給の機能を加えた技術「nanoport」を開発した。例えば、二つのスマートフォンを2カ所の接続部分、合計4つのコネクタでつなぐと、あたかも1台の折り畳み型のスマートフォンのように利用できるようになる。
コネクタの形状は円筒形で機器同士を磁力で接続する。コネクタの接点数は4点である。試作版のコネクタは円筒の高さ方向の寸法が8mm。今後、これを半分程度にできるメドがついているという。
同社によれば、コネクタ間では、最大5Gビット/秒の伝送速度によるデータ通信が可能だ。現状ではUSB2.0と同じ最大480Mビット/秒のデータ通信を実現している。機器に内蔵するプリント配線基板の寸法は、多くのモバイル端末に搭載されている「micro USB」と同等である。
この機能を用いることで、2台のスマートフォンを接続し、二つの画面を合わせて一つの画面として使う応用などを実現できる。複数のモバイル機器を数珠つなぎに接続することもでき、屏風のように複数の機器を畳んでおける。3台のスマートフォンを接続し、3台分の画面を一つにまとめてタブレット端末のように利用することなども想定している。
加えて、コネクタを介して機器間で電力供給(電流2A、電圧5V)する機能を備える。この機能を用いれば、携帯型の2次電池とモバイル端末を接続する充電用のコネクタとしても利用できる。タブレット端末やスマートフォン、携帯型2次電池、ノートパソコン、携帯型スピーカーなどをブロックのようにつなぎ合わせて利用するような応用が広がりそうだ。