搬入した製造装置の台数
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露光装置に関する計画
露光装置に関する計画
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DSAプロセスでパターンを形成
DSAプロセスでパターンを形成
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CVDの均一性
CVDの均一性
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 米Global 450mm Consortium(G450C)は、米College of Nanoscale Science and Engineering(CNSE)の開発拠点で進めている450mmウエハー対応の製造装置の初期評価結果を紹介した(講演番号13.6)。登壇者は、G450CのGeneral Managerを務めるJohn Lin氏(台湾TSMC)である。

 G450Cでは現在、世界初となる450mmウエハー対応のクリーン・ルームにプロセス開発用の製造装置を搬入して、コンソーシアム参画企業が共同で技術開発を進めている。2013年には34台の製造装置を搬入し、累計で41台の製造装置が利用可能となった。目下、14nmプロセス技術の実証を進めており、2016年までに7nmプロセス技術の実証を完了したい考えである。この成果を生かして「2018~2019年には(G450Cに参画する)半導体メーカーが450mmウエハーを用いた量産を開始する見込み」(Lin氏)だ。

 講演では、G450Cに搬入した製造装置を用いて検証したウエハー処理の結果を、製造工程ごとに紹介した。いずれも「結果は予想以上に良好」(Lin氏)とする。例えば多結晶Siのエッチングでは、450mmウエハー全面での処理速度のばらつきを3σ値で1.8%に抑えることができた。CVDのばらつき(1σ値)は酸化膜で2.2%、SiN膜で0.66%である。この他、CMP(化学的機械研磨)のばらつき(3σ値)は3.8%、Cuめっきのばらつき(1σ値)は1.63%に抑えられた。

 今後、大きな課題となるのが露光装置の開発だという。大口径化と並行して微細化が進むため、CD(critical dimension)ばらつきを1nm未満、重ね合わせ精度は1nmに抑える必要がある。高速に動くステージなどを開発し、スループットを高めることも欠かせないとした。露光装置については、2014年下期にニコンの開発拠点でArF液浸装置によるパターニング実験を開始し、2015年下期には同社の装置をG450Cに搬入する。2016年下期ごろには、450mm対応のEUV露光装置も搬入したい考えである。現状では450mm対応の露光装置を利用できないため、DSAプロセスを利用して450mmウエハーに28nmピッチの線幅/線間隔パターンを形成することに成功している。