半導体製造 プロセス技術や工場の動向を知るための
 

「450mm化に必要な投資は総額1.4兆円、装置メーカーの回収期間は22年」とニコンが試算

大下 淳一=日経BP半導体リサーチ
2013/12/10 14:00
印刷用ページ
講演の様子
講演の様子
[クリックすると拡大した画像が開きます]

 ニコン 代表取締役 兼 副社長執行役員 精機カンパニープレジデントの牛田一雄氏は、「SEMICON Japan 2013」(2013年12月4~6日、幕張メッセ)で開催された「450mmエグゼクティブフォーラム」に登壇した。「Innovative Lithography Solutions for the 450mm Transition」と題し、450mmウエハー対応の露光装置への取り組みや、450mmへの移行に際して必要な業界内連携について述べた。

 牛田氏は「SEMICON Japan 2012」において、ニコンがパイロット生産用の450mm対応露光装置を2015年に出荷し、量産用装置を2017年に出荷するという計画を公表。「既に(300mmで)実績のあるArF液浸露光装置で対応することを決定済み」(牛田氏)である。それから1年を経た今、450mm対応装置の開発は「既に決意表明の段階ではなく、開発プログラムが実際に始動している」(牛田氏)。450mmウエハーへの大口径化は、Mooreの法則を維持し、チップ当たり年間30%のコスト低減を持続していくためには欠かせないと同氏は主張する。300mmへの大口径化に際してオランダASML社がツイン・ステージ技術を導入してスループットを一挙に高めたことに触れ、大口径化は「単にウエハー径を大きくするだけでなく、革新的な装置技術を生みだす契機ともなる」(同氏)と話した。

 ニコンの試算によれば、450mmへの移行に伴って半導体業界が負担しなければならない投資額は総額140億米ドル(約1兆4000億円)に達する見通し。これは300mmへの移行に伴う総投資額120億米ドル(約1兆2000億円)に近い水準である。300mmへの移行では業界の足並みがそろわなかったために投資効率が悪く、200mmへの移行に比べて9倍もの投資額が必要になったという。450mmへの移行ではこの反省を踏まえて「半導体メーカーと装置メーカー、コンソーシアムが足並みをそろえるべき」(牛田氏)とした。

 投資総額を140億米ドルに抑えられた場合、装置メーカーの年間売上高が平均3.8%のペースで増え続けたと仮定すると、装置メーカー側の投資回収期間は約22年になる見込みという。300mm対応装置への投資回収には約20年を要したといい、これに近い時間を要することになる。牛田氏は、必要な投資額や回収期間の観点から、450mmへの大口径化はジェット旅客機「Boeing 787」に近いとの分析結果を披露。「Boeing 787の開発を(経済性の点から)成功だと評価するなら、450mmへの大口径化も経済性の点で意味あるものにできるはず」(同氏)だと述べた。

ここから先は日経テクノロジーオンライン有料会員の方のみ、お読みいただけます。
・会員登録済みの方は、左下の「ログイン」ボタンをクリックしてログイン完了後にご参照ください。
・会員登録がお済みでない方は、右下の「有料会員に申し込む」ボタンをクリックして、申し込み手続を完了させてからご参照ください。

【9月18日(金)開催】
高精細映像時代に向けた圧縮符号化技術の使いこなし方
~H.265/HEVCの基礎から拡張・応用技術とその活用における心得~


本セミナーでは高品質、高信頼、高効率に製品化するために標準化された高圧縮符号化技術、H.265/HEVCについて、その基盤となった符号化技術の進展から映像・製品特性に適切に圧縮符号化技術を使いこなす上で知っておきたい基本とH.265/HEVCの標準化、実装、製品化に向けた基礎及び拡張技術の理解と活用の勘所等について詳解します。詳細は、こちら
会場:中央大学駿河台記念館 (東京・御茶ノ水)

マイページ

マイページのご利用には日経テクノロジーオンラインの会員登録が必要です。

マイページでは記事のクリッピング(ブックマーク)、登録したキーワードを含む新着記事の表示(Myキーワード)、登録した連載の新着記事表示(連載ウォッチ)が利用できます。

協力メディア&
関連サイト

  • 日経エレクトロニクス
  • 日経ものづくり
  • 日経Automotive
  • 日経デジタルヘルス
  • メガソーラービジネス
  • 明日をつむぐテクノロジー
  • 新・公民連携最前線
  • 技術者塾

Follow Us

  • Facebook
  • Twitter
  • RSS

お薦めトピック

日経テクノロジーオンラインSpecial

記事ランキング