総合的な情報収集の場へと進化

─無料の講演やセミナーを充実させた狙いは。

牛田 一雄氏
1975年、ニコン入社。2003年6月、執行役員、精機カンパニー開発本部長。2005年6月、常務取締役兼上席執行役員、精機カンパニープレジデント。2007年6月、取締役兼専務執行役員、精機カンパニープレジデント。2009年6月、取締役兼専務執行役員、知的財産本部担当、精機カンパニープレジデント。2013年6月代表取締役兼副社長執行役員、精機カンパニープレジデント、知的財産本部担当、経営企画本部副担当。
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牛田氏 半導体業界にまつわる様々な情報を幅広く発信するイベントへとセミコン・ジャパンを進化させるためです。

 かつては多くの大手半導体メーカーがこぞって最先端のプロセス技術を追求していました。このころのセミコンは、半導体製造装置および半導体材料を手掛けるメーカーが、半導体デバイス・メーカーの皆さんに新しい技術やソリューションを披露する場でした。つまり来場者の中心は半導体メーカーの皆さんでした。ところが最近は、従来のように多くの半導体メーカーが一斉に最先端のプロセス技術を追求しているわけではありません。同時に業界のトレンドも多様化しています。

 こうした状況の中で、セミコン・ジャパンが目指す方向を変えるべきだと考えました。具体的には、製造装置や半導体材料の技術や製品の見本市から、幅広い業界の皆さんに半導体業界の最新情報を提供する場へとシフトさせることにしました。つまり、半導体メーカーの方々だけでなく、半導体デバイスを使う機器メーカーの皆さん、半導体製造装置に組み込む機構部品や電子部品やソフトウエアなどを手掛けるメーカーの方々、さらに半導体製造装置や半導体材料の技術に、新たな可能性を感じている他分野の人たちにも有益な情報を提供する場にしたいと思っています。いわば、セミコン・ジャパンが網羅する領域を、縦方向と横方向に広げるということです。

 無料のプログラムを増やせば、様々な分野の方が情報収集のために気軽に足を運んで下さるでしょう。これによって来場者の幅が広がり、セミコン・ジャパンがかかわる領域を縦と横に広げる動きを加速させることができると考えました。実は、次の2014年は会場を東京ビッグサイトに移す予定です。これも様々な分野の方々が、より参加しやすくするための取り組みの一環です。

テーマ・パビリオンは五つ

─今年の展示会の特長についても教えていただけますか。

牛田氏 従来通り「前工程ゾーン」と「後工程・総合・材料ゾーン」を設けました。このほかに例年と同様にテーマ・パビリオンがあります。今回は、技術系の「先端エレクトロニクスパビリオン」と「先端製造技術パビリオン」、ビジネス系の「中古装置パビリオン」「サプライチェーンパビリオン」「国・地域・自治体系パビリオン」などを設けます。このうち、今年初めて登場する先端製造技術パビリオンには、「TSV」や「450mmウエーハ」など業界でいま注目されている分野に関連する展示を集めました。

 新しい企画を採り入れながらセミコン・ジャパンは、幅広い分野の方々にとって有意義なイベントへと進化しつつあります。半導体業界の方々はもちろんのこと、様々な業界の方々も是非足を運んで下さい。