「アート」からパッケージまで網羅

─今年のSTSサテライトのプログラムの内容を教えて下さい。

奈良氏 MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)のセッションが2件。これに加えてパッケージ技術とDFM(Design for Manufacturing)のセッション。さらにもう一つ特別セッションとして、半導体における技術開発の新しい方向を絵画などアートの分野から紹介する斬新な内容のセッションも用意しました。

 MEMSに関するセッションの一つ「グローバルに多様化するMEMS技術」では、集積化MEMS技術、多品種少量開発を実現する先端露光技術、マルチチップ集積化、パッケージング技術、計測技術などMEMSに関連する技術の最新動向を幅広く解説します。

 もう一つのMEMS関連のセッション「成長するヘルスケア・メディカルMEMS」では、今後の成長が期待されているヘルスケアおよびメディカル分野におけるMEMSの可能性につい解説します。市場、関連規格や技術の動向について言及する予定です。

 半導体のパッケージ技術に関する「Application Specific Packagingで切り拓く未来」は、最終製品の要求とともに多様化するパッケージ技術の新しい将来像を紹介するセッションです。「フレキシブルデバイス」やICT(情報通信技術)を利用した新しい医療、いわゆるデジタルヘルスケア。医療エレクトロニクスに向けたパッケージ技術の最新動向に言及します。

 DFMに関する「高度化・複雑化するDFM」では、設計と製造の連携によるDFMを実現する技術を解説します。半導体業界では、「ファブライト化」や「ファブレス化」を進める企業が増えてきました。これとともに、DFMの技術はますます重要になっています。

─特別セッションの内容は。

奈良氏 特別セッション「テクノロジーとアートが出会う」では、デジタル技術によるアート表現や、バーチャルリアリティなど映像を使ったアプリケーションの動向を解説します。半導体デバイスを搭載するアプリケーションで、従来のように機能や性能を追求しても付加価値が生まれにくくなっています。代わって最近では、使い心地など消費者の感性によって付加価値が左右されるアプリケーションが増えてきたのではないでしょうか。そこで、半導体の技術が、感性に基づく付加価値をもたらす一つの例として、映像を使ったアートを採り上げることにしました。

 幅広い分野の方が参加できるプログラムを増やすと同時に、新基軸のプログラムも加えました。これを契機にSTSが例年以上に盛り上がることを期待しています。セミコン・ジャパンに来場した際には、是非STSにも参加して下さい。