セミコン・ジャパンと同時開催の国際技術シンポジウム「SEMIテクノロジーシンポジウム(STS)」は、半導体をめぐる技術や市場の動向を効率よく、しかも的確に把握できることから、例年多くの来場者を集めている。2013 年は、従来と同様に注目の先端技術をテーマにした有料セッションを用意する一方で、無料セッションの拡充を図った。その理由や、今回のSTSの見所について、プログラム委員長を務める奈良安雄氏に聞いた。

奈良 安雄 氏
STS2013 プログラム委員長
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今年のSTSの見所は。

奈良氏 例年STSでは、半導体業界で焦点となっている技術の最先端の話題を採り上げています。今年もこの方針は変わりません。会場も例年と同様に、幕張メッセ国際会議場と展示会場内の2ヶ所です。今回はそれぞれ2日間で5件のセッションを開く予定です。国際会議場では、「リソグラフィ・マスク」が2件、「先端デバイス・プロセス」「パワー半導体」「テスト」といったセッションを用意しています。

 リソグラフィ・マスクのセッションでは、微細化のトレンドの先行きを決めるリソグラフィの最新動向を解説します。2件のうちの一つ「EUVおよびMultiple EB露光の開発」では、次世代露光技術の本命として期待されているものの、実用化に向けた開発が難航しているEUV露光技術の最新状況を解説します。同じセッションで、ユニークなアプローチの次世代露光技術として注目されているMultiple EB露光技術も採り上げる予定です。

 リソグラフィ・マスクのもう一つのセッション「Multiple Patterning実用化技術とDSAの動向」では、既存のArF光源を使って微細化を進めるための技術として開発が進んでいるMultiple Patterning技術や、DSA(Direct Self Assembly)の最新動向を解説します。