登壇する黒岩氏
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未病産業について説明
未病産業について説明
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 神奈川県知事の黒岩祐治氏は、「ヘルスケアデバイス展 2013」(主催:日経BP社、会期:2013年10月23~25日、会場:パシフィコ横浜)において同25日、基調講演「ヘルスケア・ニューフロンティアを支えるものづくり産業」と題して講演した。「未病産業は、(ものづくり産業界にとって)幅広いすそ野の大きな市場とビジネスチャンスがある」と語り、産業界への期待を示した。

 黒岩氏は、ヘルスケア産業を創出していく上で、「未病」という考え方が重要になると指摘。「未病を治す」(同氏)という点にもっと力を注ぐべきだと強調した。しかし、「病気なら厚生労働省が担当だが、未病を担当する役所が存在しない。これが大きな問題だ」と訴えた。

 そこで神奈川県では、「未病を治す」という点に力を注いだ政策「ヘルスケア・ニューフロンティア」構想を掲げている。未病を治すという点に加え、「最先端の医療や技術の追求」という二つのアプローチを融合させることにより、健康寿命日本一と新たな市場・産業の創出を目指す取り組みだ。同構想については、日本経済を停滞から再生に導くことを目的とした国の「国家戦略特区」に提案しており、「採用される見通しだ」(黒岩氏)と語った。

 ただし、特区については「名ばかりの特区では意味がない」(黒岩氏)と強調。関連する規制の緩和を強力に求めていく姿勢を示した。既に動き始めている「京浜臨海部ライフイノベーション国際戦略総合特区」「さがみロボット産業特区」の二つの特区と合わせて、ヘルスケア産業の創出を推進する構えである。