Cree社のブース
Cree社のブース
[画像のクリックで拡大表示]
新日鉄住金のブース
新日鉄住金のブース
[画像のクリックで拡大表示]
SiCrystal社のブース
SiCrystal社のブース
[画像のクリックで拡大表示]
昭和電工のブース
昭和電工のブース
[画像のクリックで拡大表示]
Dow Corning社のブース
Dow Corning社のブース
[画像のクリックで拡大表示]
II-VI社のブース
II-VI社のブース
[画像のクリックで拡大表示]

 SiCパワー半導体関連の国際学会「ICSCRM 2013」(2013年9月29日~10月4日、宮崎県フェニックス・シーガイア・リゾート)の展示会場には、多くのSiC基板メーカーが6インチ(150mm)径ウエハー(以下、6インチ・ウエハー)を展示した。現行の3~4インチ(75mm~100mm)品の次世代を担うウエハーである。6インチ・ウエハーの供給ではこれまで米Cree社が先行してきたが、同社を追うSiC基板メーカー各社が2013年下期~2014年に相次ぎ本格投入する見通しだ。

 基板品質の高さに定評がある新日鉄住金は目下、6インチ・ウエハーをサンプル出荷中であり、2014年に量産出荷を始める。ベアウエハー、および外部企業でエピタキシャル膜を成膜したエピタキシャル・ウエハー(以下、エピ・ウエハー)を供給する予定である。同社の4インチ(100mm)ウエハーの品質は「転位欠陥密度を含めて非常に良好な水準に達しており、6インチ・ウエハーでもそれに追いつこうと欠陥低減を進めている」(同社)。今後の6インチ・ウエハーの市場拡大をにらんで「エピ膜の成膜能力を自社内に持つかどうかについて、議論している」(同社)という。

 なお、新日鉄住金の母体企業である旧 新日本製鉄と旧 住友金属のうち、旧 住友金属では溶液法によるSiC結晶の成長技術の開発を進めてきた。結果として新日鉄住金は現在、溶液法と(旧 新日本製鉄が開発してきた)昇華法の両方の開発を進めている(関連記事1)。

 ローム傘下のドイツSiCrystal社は2013年末~2014年3月に6インチ・ウエハーの量産出荷を始める。同社はエピ・ウエハーは手掛けておらず「高品質のベア・ウエハーをいかに安く提供するかに集中している」(SiCrystal社の販売代理店)。開発したSiCウエハーの評価をロームがいち早く手掛ける体制をとっているため、「基板品質に関するフィードバックを早期に得やすく、品質向上に役立っている」(同)とする。

 昭和電工はICSCRM 2013開催に合わせて、2013年9月30日に150mm径のエピ・ウエハーの量産技術を確立したと発表した(関連記事2)。同社は同ウエハーのサンプル出荷を2013年初から進めてきたが、2013年10月からは製品として出荷する。当面はn型のエピ・ウエハーを供給するが、2015年ごろにはp型のエピ・ウエハーも供給する計画という。