「FingerLink」のデモ
「FingerLink」のデモ
[画像のクリックで拡大表示]

 富士通は「CEATEC JAPAN 2013」の会場で、カメラとプロジェクターを使う次世代ユーザー・インタフェース(UI)「FingerLink」のデモを実施している。テーブルの上に置いた書類やユーザーの指をカメラで認識して、関連する情報を紙の周囲に投影したり、ユーザーが指で指示した部分をスキャンして取り込んだりできる。同社が2013年4月に見せたデモと基本的には同一(関連記事)。当時のデモにはなかった、バーチャルなキーボードを投影する機能などを加えている。

 同社は2014年度内をメドに製品化に踏み切る考え。既に銀行などから引き合いがあるという。「銀行の窓口では、狭い机の上で何種類ものキーボードを切り替えて使うようだが、FingerLinkならば、例えば帳票を認識して、それに応じたキーボードを瞬時に出すとったことができる。個室での商品説明などにも応用可能だ。こうした用途にタブレット端末を使うと、お茶をこぼして壊れてしまったり、盗まれたりする恐れがあるが、これならば問題ない」(同社の説明員)。

 用途ごとにアプリケーション・ソフトウエアを作りこむため、価格は一概には言えないという。ハードウエア自体のコストは、汎用のカメラ(HD画質のWebカメラ)やプロジェクター(1280×800画素)を使っているため数万円で済むという。現在は、プロジェクターの投影面積はA4判大だが、用途に応じてさらに大きい画面を投影することも可能とした。