NTTドコモは、ユーザーがいつでも「インテリジェントグラス」をかけている世界を目指している
NTTドコモは、ユーザーがいつでも「インテリジェントグラス」をかけている世界を目指している
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「手ぶらでムービー」のデモに使ったHMD
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外国語のメニューを日本語に翻訳してみせる「みるだけインフォ」のデモ
外国語のメニューを日本語に翻訳してみせる「みるだけインフォ」のデモ
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紙のノートをコンピュータの画面のように扱える「なんでもインターフェース」のデモ
紙のノートをコンピュータの画面のように扱える「なんでもインターフェース」のデモ
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「空間インターフェース」では「ドコモダケ」を操れる
「空間インターフェース」では「ドコモダケ」を操れる
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 NTTドコモは「CEATEC JAPAN 2013」の会場で、ヘッド・マウント・ディスプレイ(HMD)を活用した様々な用途のデモを見せている。シースルーのメガネで大画面の映画を視聴可能な「手ぶらでムービー」や、ユーザーが見ている外国語のメニューを翻訳したりできる「みるだけインフォ」などである。デモの主眼は用途の提案にあり、HMDは市販品や他メーカーの開発品などを利用していた。「スマートフォンやタブレットを持ち歩くのは重くて大変。メガネならばその問題を解決できる。『インテリジェントグラス』を常に身につける世界を目指している」(同社)。

 「手ぶらでムービー」は、持ち歩いてどこでも大画面の映画を楽しめる用途のデモ。ユーザーに常にメガネをかけてもらうキッカケになると位置づけている。「ソニーなどが製品化している没入型のディスプレイは、映像を部屋で楽しむのに向いている。いつでも持ち歩いて使ってもらうには、周囲が見えるシースルー型が適していると思う」(NTTドコモ)。HMDにはセイコーエプソンの「MOVERIO」を利用していた。

 「みるだけインフォ」は、HMDのカメラでユーザーが見ているものを捉え、関連した情報をユーザーに提示するデモ。例えば、ユーザーが外国語の料理メニューを見ると、画面に日本語訳が表示されるといった具合である。デモでは、HMDに米Vuzix社の開発品を使い、文字認識はHMDで実行。認識結果をNTTドコモの「うつして翻訳」のサーバーに送って日本語に変換している。このほか、相手の顔を認識して名前や社名などを表示する、宅配便の伝票で郵便番号を認識し料金や住所を表示するといったデモを用意している。メガネをかけ始めた当初は、こうした簡易な情報を表示する用途が主になるというのがNTTドコモの見立てだ。

 メガネを掛けた状態でスマートフォンやタブレット端末並みの情報を扱えるようにするユーザー・インタフェースの提案が、「なんでもインターフェース」や「空間インターフェース」である。前者はタブレット端末などを持ち運ぶ代わりに、紙のノートなど身近なモノを画面として利用するという発想。シースルー型のHMDを使って、これらのモノにコンピュータの画面を重ねて表示する。ユーザーの手の動きを認識するために、HMDに付けたカメラで指の位置を検知するほか、ユーザーに加速度センサ入りの指輪をはめてもらって、指の動きを検出している。後者は、空間に浮かんだ「ドコモダケ」のCGを手で操れたり、浮かんでいるアイコンを伸ばしたりできるデモを見せている。