左から、パナソニック AVCネットワークス社 開発グループ グループマネージャーの竹澤浩義氏、筆者、パナソニック AVCネットワークス社 OLED事業推進室室長の清水義正氏
左から、パナソニック AVCネットワークス社 開発グループ グループマネージャーの竹澤浩義氏、筆者、パナソニック AVCネットワークス社 OLED事業推進室室長の清水義正氏
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今年のCESでの、パナソニック社長の津賀一宏氏の基調講演。56型の4K×2K有機ELが紹介されたとき、満場からの拍手が起きた。
今年のCESでの、パナソニック社長の津賀一宏氏の基調講演。56型の4K×2K有機ELが紹介されたとき、満場からの拍手が起きた。
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パナソニック AVCネットワーク社 社長の宮部義幸氏がIFAの記者会見でCES展示を説明した時は「56型」
パナソニック AVCネットワーク社 社長の宮部義幸氏がIFAの記者会見でCES展示を説明した時は「56型」
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ところが「55型」に
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カラフルになったIFAでの4K×2K有機ELの展示(1)
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カラフルになったIFAでの4K×2K有機ELの展示(2)
カラフルになったIFAでの4K×2K有機ELの展示(2)
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カラフルになったIFAでの4K×2K有機ELの展示(3)
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カラフルになったIFAでの4K×2K有機ELの展示(4)
カラフルになったIFAでの4K×2K有機ELの展示(4)
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カラフルになったIFAでの4K×2K有機ELの展示(5)
カラフルになったIFAでの4K×2K有機ELの展示(5)
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カラフルになったIFAでの4K×2K有機ELの展示(6)
カラフルになったIFAでの4K×2K有機ELの展示(6)
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カラフルになったIFAでの4K×2K有機ELの展示(7)
カラフルになったIFAでの4K×2K有機ELの展示(7)
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 2013年1月の「International CES」でパナソニックは印刷方式による56型の4K×2K有機ELテレビを公開し、大きな話題になった。ところが、今回の「IFA」(ドイツ・ベルリン、2013年9月6~11日)では1インチ(2.54cm)小さく、55型を打ち出した。なぜ、小さくなったのか。

 「量産を考え、1枚ずつ作る枚葉式ではなく、マザー・ガラス方式に変更しました。パナソニックの姫路の液晶工場で8.5世代では、55型が6枚取れます」と説明するのは、パナソニック AVCネットワークス社 OLED事業推進室室長の清水義正氏だ。

 9月4日の記者会見で、パナソニック AVCネットワーク社 社長の宮部義幸氏は56型の4K×2K有機ELテレビの量産開始が間近であるような言い方をしていたが、清水氏は「量産技術の確立に向けてこれから確認しなければならないことが、非常にたくさんあります。来年(2014年)になれば見えてくるでしょう。しかし、今の段階でも、ステップは確実に上がっています。それはIFAの展示ではっきりと見ることができます」と語った。

 確かにCESとIFAでは、筆者が見るところ、映像の“構造”が大きく変わった。CESでは提携相手のソニーの4K×2K有機ELと同じ56型の共演になったが、ソニーの映像が「スーパーダイナミック」だったのに対し、パナソニックの映像は静的で、色もシアンが中心で、質感もおっとりとしたものだった。それに対し、今回はRGBの原色を積極的に前に打ち出し、色再現の絢爛(けんらん)さを堂々とアピールしていた。筆者は、この変化の背景には、技術的なブレークスルーがあったのではないかと、ブース展示を見ながら思った。

 「そうなんです。かなり改善しました」と言うのは、実際に有機ELの開発に当たっているパナソニック AVCネットワークス社 開発グループ グループマネージャーの竹澤浩義氏だ。なお、今回出展されたモデルは、CES出展時より色再現範囲でNTSC比が100%から110%になった程度の違いで、その他のスペックはほとんど変わらない。ピーク輝度は500cd/m2、白画面輝度は150cd/m2のままである。なのに、見た目にはすごく違うのだ。一体パナソニックは何をしたのだろうか。