ソニー・ブースに展示されていた56型の4K×2K有機ELテレビ
ソニー・ブースに展示されていた56型の4K×2K有機ELテレビ
[画像のクリックで拡大表示]
リオのカーニバルを見せていた
リオのカーニバルを見せていた
[画像のクリックで拡大表示]

 ソニーが2013年1月の「International CES」で技術発表した56型の4K×2K有機ELは衝撃的な画質だった。筆者はTech-On!のCESリポートにこう書いた。「画質は驚くべきもので、リオのカーニバルを4K×2Kで撮影した映像クリップでは、色の豊穣さ、原色の強靭さ、金銀の燦めき、微小部分の白ピークの突き上げなど、他のデバイスでは絶対に再現できない領域の“ウルトラリアリティ”を感じさせた。単なる高輝度だけでなく小面積の(輝度の)突き上げがあることが有機ELの強みだが、改めて認識することができた。まさに人類が未体験の映像力であった」(Tech-On!関連記事)。

 「CESでの先生の評価には、大変勇気づけられました。早速、開発の皆に知らせました」と、同社 ホームエンタテインメント&サウンド事業本部・企画マーケティング部門・HES商品戦略部・商品戦略1課の大塚健氏は言った。「CESでは、来場の皆さんにも大変高く評価されました。私は、ずっとお客様の対応をしていましたが、皆さんには共通するパターンがあることに気付きました。クリップは5分間ですが、一巡するまでずっと見てくれます。初めの3分間はあまりの高画質に驚き、後の2分で笑顔になるのです。幸せを届けているようで、こちらもとてもハッピーになりました」。

 今回のIFAでは、基本的には同じディスプレイが1台、展示されていた。コンテンツのリオのカーニバルも同じだ。ソニー 社長の平井一夫氏はIFAでのインタビューで有機ELテレビの商品化について、「鋭意開発中。特に新しいニュースはありません」と述べた。それでは今、開発はどこまで進んでいるのか。まず、なぜ4K×2Kにしたのか?

 「われわれの間では2Kでいくか、4Kにするかの議論は侃々諤々ありました。しかし、既に液晶テレビが4K×2Kになり、56型の有機ELテレビは液晶より価格が高くなるのは確実なのに、フルHD(2K)はないだろう、4K×2Kをサポートしなければフューチャー・プルーフではないだろうという判断です」(大塚氏)。