音声指示で家電などを操作できるモデル・ルーム
音声指示で家電などを操作できるモデル・ルーム
[画像のクリックで拡大表示]
お薦め料理を自動検索する機能も備える
お薦め料理を自動検索する機能も備える
[画像のクリックで拡大表示]

 パナソニックは2013年9月6日(欧州時間)からドイツ・ベルリンで開催されているエレクトロニクスの見本市「IFA2013」で、クラウド・ベースのホーム・ネットワークのコンセプト・モデルを披露した。家電や住宅設備を音声で操作するシステムで、2018年ごろの実用化を目指して研究開発を進めている。

 コンセプト・モデルを発表したのは、取り引き先などの反応を研究開発にフィードバックすることが主な狙いという。このため、商談ブースの一角にモデル・ルームを設置した。このモデル・ルームはダイニング・キッチンを模した部屋で、天井に二つのマイクを設置している。このマイクでシステム利用者の音声を拾い、部屋内の家電や住宅設備を制御する。

 システムを構成するマイクや家電・住宅機器は、インターネット経由でパナソニックのクラウド・サービスに接続する。マイクで集音した音声のデータをクラウド・サービスに送信し、クラウド上で音声認識して制御手順を決定。この手順に基いて、操作のコマンドを家電・住宅機器に送る仕組みだ。

 特徴は、利用者があたかも人間と対話するかのように家電や住宅設備を操作できることである。例えば、水道の蛇口の下に鍋を用意して英語で「水を400cc入れて」と指示すると、蛇口からその分量だけ自動的に水が出る。また、水が入ったポットをIHクッキング・ヒーターにかけて「コーヒーを入れたい」と指示すると、システムから「3分間加熱します」という返事が返ってきてIHクッキング・ヒーターの電源がオンになる。

 この他、推奨の料理を自動的に検索して、その料理のレシピに基づいてIHクッキング・ヒーターの火力を自動的に調節したりもできる。例えば利用者が「今日は母親が来るのでお奨めの料理を探して」と指示すると、システムが推奨する料理を検索してレシピなどの情報をディスプレイに表示し、IHクッキング・ヒーターに対して火力調整のスケジュールを送る。

 現状のシステムは英語による音声指示のみに対応しているが、今後は日本語をはじめとする多言語にも対応する予定だ。家電や住宅設備の制御は独自のプロトコルを用いているが、将来的にはEchonet LiteやSEP(Smart Energy Profile)など、ホーム・ネットワークの標準規格への対応も検討している。また「テレビの音や家庭内の日常会話」と「システムに対する指示の音声」を判別して操作の誤作動を防ぐ技術などの検討も進めているという。