講演するHuang氏
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動作速度の比較
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PC Mark HDD Scoreの比較
PC Mark HDD Scoreの比較
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LDPCで書き換え可能回数が大きく改善
LDPCで書き換え可能回数が大きく改善
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 SSD向けコントローラICを手掛ける台湾Silicon Motion Technology社は「Flash Memory Summit(FMS) 2013」(2013年8月13~15日、米国カリフォルニア州Santa Clara)」の技術セッション「Extending the Performance on 10nm-Class Flash」において、3ビット/セル(triple-level cell:TLC)のNANDフラッシュ・メモリ(以下、NAND)を用いたSSD(TLC-SSD)向けコントローラ技術について講演した。同社が主張したのは、書き換え可能回数が非常に少なくなる1Xnm世代(10nm台)のTLC-NANDでも、コントローラ技術を駆使すれば民生用途のSSDには十分に使えるということである。同じストレージ容量で比べた場合、2ビット/セル(multi-level cell:MLC)のNAND(MLC-NAND)とは性能面でそれほど大きな違いはなく、HDDの性能をはるかに凌駕できるという。

 登壇したStanley Huang氏(Silicon Motion社 Product Marketing Manager)はまず、(Samsung Electronics社とみられる)韓国メーカー製の128GバイトのTLC-SSDと、Silicon Motion社のコントローラICを組み合わせた場合の動作性能を、MLC-NANDを用いたSSD(MLC-SSD)およびHDDと比べた結果を披露した。

 それによると、TLC-SSDとMLC-SSDの読み出し速度は同等であり、HDDと比べると4倍速い。書き込み速度では、TLC-SSDではMLC-SSDの1/2に落ちるものの、HDDと比べると120倍速いという。トータルの処理性能の指標となる「PC Mark HDD Score」では、TLC-SSDはMLC-SSDの70%にまで迫り、HDDと比べると16倍高いとしている。

 ただし、微細化が進むにつれて、TLC-NANDの書き換え可能回数は極めて少なくなっていく。Huang氏によれば、30nm世代のTLC-NANDの書き換え可能回数が約6000回であるのに対し、25nm世代では3000回、20nm世代では1000回に減り、15nm世代では500回未満まで減る見通しという。