展示ブースの様子
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B4-Flashを披露
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SSD市場を狙う
SSD市場を狙う
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自社ブランドのセキュリティ機能付きUSBメモリ
自社ブランドのセキュリティ機能付きUSBメモリ
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 日本発のファブレス・メモリ・メーカーであるGENUSION(兵庫県尼崎市)は、「Flash Memory Summit(FMS) 2013」(2013年8月13~15日、米国カリフォルニア州Santa Clara)において、同社のNORフラッシュ・メモリ「B4-Flash」に関して講演するとともに、同メモリを展示会場に出展した。娯楽機器などに向けて2013年上期に同メモリの量産を始めており、「LTE基地局やスマート・グリッド向けでも採用に向けた評価が進んでいる」(GENUSION 代表取締役社長の中島盛義氏)という。このほか、ファイル・データを完全に消去できるというB4-Flashの特徴を生かした自社ブランドのセキュリティ機能付きUSBメモリ「CE(Completely Erasable)-File Memory」をこの8月に法人向けに発売した。今後は製造プロセスの微細化による大容量化を進め、SSD市場への参入を狙う。

 B4-Flashは同社が2006年にコンセプトを発表した新方式のフラッシュ・メモリである。pMOSベースのメモリ・セルと、バンド間トンネリングを用いたホット・エレクトロン注入を組み合わせることで、書き込み速度を従来のNORフラッシュ・メモリの100倍に当たる約10Mバイト/秒に高めた。現在、90nm世代品の量産を始めたところであり、メモリ容量は512Mビット(SLC)と1Gビット(MLC)の2種類。製造はロームに委託している。

 2014年には58nm世代へと微細化を進め、最大4Gビットのメモリ容量を実現するという。これにより「SSDへの応用が見えてくる」(中島氏)。具体的には、DRAMに近い階層(Tier0)で使われる小容量・高速のSSDでの採用を狙っている。B4-FlashはNOR型のフラッシュ・メモリだが、SSDのインタフェースに対応させることは可能とする。B4-Flashを使った場合、NANDフラッシュ・メモリを使う既存のSSDに比べると、レイテンシが2桁近く改善することに加え、書き換え可能回数も約2桁改善するとしている。結果として「書き換え回数当たりのコストという指標ではNANDをしのげる」(GENUSION デバイス技術部長の味香夏夫氏)。58nm世代品の製造は、ロームとは別のファウンドリー企業に委託する予定だ。