米SMART Storage Systems社は、NANDフラッシュ・メモリ(以下、NAND)ベースのストレージにDDR3インタフェースを採用したモジュール「ULLtraDIMM」を「Flash Memory Summit(FMS) 2013」(2013年8月13~15日、米国カリフォルニア州Santa Clara)の展示会場に出展した。サーバー機などにおいて、通常のDIMM(dual in-line memory module)スロットに挿して使えることが大きな特徴だ。カナダDiablo Technologies社との共同開発品である。19nm世代の2ビット/セル(MLC)のNANDを用いた200Gバイト/400Gバイト品のサンプル出荷を近く始め、2014年1~3月から量産する。
最近ではPCI Express(PCIe)インタフェースを備える高速のNANDストレージが浸透しつつある。SMART Storage Systems社はプロセサとストレージの間の距離をさらに縮めることを狙い、DDR3インタフェースと、DIMM互換のフォームファクタを採用した。この他、DDR3インタフェースをNANDに接続可能なSATAインタフェースに変換するためのチップを搭載している。書き込みのレイテンシは5μs未満と、PCIeインタフェースを採用した場合の数分の一。このレイテンシは、DIMMスロットに複数のULLtraDIMMを挿してストレージ容量を拡張した場合にも一定という。
ランダム書き込み性能は65KIOPS、ランダム読み出し性能は150KIOPS。1日にストレージ領域全体を10回書き換えることができる。ストレージ容量当たりの価格は「SATAインタフェースのSSDよりは高いが、PCIeインタフェースのSSDよりも安い」(SMART Storage Systems社)とする。