図1 実演の様子
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図2 カメラに向かって手を振ると、キャラクターが振り返してくれる
図2 カメラに向かって手を振ると、キャラクターが振り返してくれる
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図3 PS4用コントローラ
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図4 コントローラ内にキャラクターがびっしり
図4 コントローラ内にキャラクターがびっしり
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図5 コントローラの動きに応じてキャラクターが移動
図5 コントローラの動きに応じてキャラクターが移動
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図6 キャラクターがコントローラ内から次々と出てくる
図6 キャラクターがコントローラ内から次々と出てくる
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図7 掃除機のようにキャラクターを吸い取ろうとしている場面
図7 掃除機のようにキャラクターを吸い取ろうとしている場面
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図8 タブレット端末でイラストを描いている
図8 タブレット端末でイラストを描いている
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図9 描いたイラストを画面内に表示すると、キャラクターが反応する
図9 描いたイラストを画面内に表示すると、キャラクターが反応する
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図10 PS4用カメラ
図10 PS4用カメラ
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 ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)は、次世代の据え置き型ゲーム機「プレイステーション 4(PS4)」用のカメラとコントローラを利用したAR(拡張現実感)技術の実演を報道機関向けに披露した(図1)。PS4を接続したディスプレイにゲーム・キャラクターとカメラで撮影した実写映像を重ねて表示し、ユーザーの動作に応じて、キャラクターの動きが変化する。例えば、ユーザーが手を振ると、キャラクターも手を振って応えてくれる(図2)。

 PS4用コントローラ「DUALSHOCK 4」は、前面にタッチ・パッドを、上部側面にLEDを利用した「ライトバー」を新たに備えている点が特徴の一つ(図3)。今回の実演で利用したアプリケーション・ソフト(以下、アプリ)「THE PLAYROOM」には、白い小人のようなキャラクターがコントローラ内に複数存在している、というコンセプトの動作モードがある。

 ディスプレイに表示される映像は大別して2種類ある。前述のAR映像と、コントローラ内部と、その内部に存在するキャラクターを描いたCG映像である(図4)。CG映像の場面では、ディスプレイにはコントローラを上下左右に動かすと、その動きをコントローラ内部のモーション・センサなどで検知し、その結果に応じてキャラクターがあちこちに移動する(図5)。コントローラを上下左右に激しく動かすと、キャラクターも上下左右に激しく飛び交う。

 コントローラ内部のCG映像を表示している段階で、コントローラのタッチ・パッドを指で触れて前方にスライドさせると、AR映像に切り替わる。さらにタッチ・パッドに指で触れて前方にスライドさせると、コントローラ内にいたキャラクターが次々とコントローラの外に出てくる(図6)。画面内のキャラクターを足で蹴飛ばすと、四方に散っていくなど、あたかも実際にキャラクターに触れているかのような演出を盛り込んでいる。なお、一度コントローラの外に出したキャラクターは、タッチ・パッドをクリック(押し込む)ことで、掃除機のように吸い取ってくれる(図7)。

 タブレット端末も利用可能。タブレット端末で描いたイラストを送信して、立体物としてディスプレイに表示できる(図8、9)。この立体物が映像に表示されると、キャラクターが群がったり、遊びだしたりする。こうした双方向性のある演出によって、AR映像をさらにリアルにしている。

 PS4の専用カメラ「PlayStation 4 Eye」は、カメラ・モジュールを2個備えており、この2個のカメラで撮影した映像を基にして、距離を算出できる(図10)。ただし、今回の実演では、各カメラを別の用途で利用している。1個はコントローラのライトバーの2次元の位置検出に、もう1個は画像認識に用いているという。それぞれのカメラで習得したデータを基に、カメラ映像とCGを重ね合わせてディスプレイに表示している。

 筆者が実際に試した限り、アプリの完成度は高いと感じたが、このアプリを実用化するかどうかは、「まだ決まっていない」(説明員)という。