写真1●テリー・イェン氏
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写真2●ステファン・ホールトン氏
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 米クアルコムは2013年6月4日、パソコンやタブレット、スマートフォンの各分野で複数の発表を行った。これを受け、COMPUTEX TAIPEI 2013で報道関係者向けの説明会を開催した。対応者は、クアルコム・テクノロジーズのセールス担当副社長のテリー・イェン氏(写真1)と、同社製品管理担当のシニアディレクターのステファン・ホールトン氏(写真2)だ。

 冒頭、イェン氏は、数年前から同社がCOMPUTEXに参加するようになった理由を「モバイルで培った資産をパーソナル・コンピュータの世界にも持ち込めると考えたからだ」と語った。具体的には、ネットワークに常時接続しながら省電力かつ高パフォーマンスを実現できる技術である。

 続いて、今回の発表の一つである「3G/LTEの両方式に対応したSnapdragon400プロセッサー」については、端末のボリュームゾーンを狙ったもので、これまでは上位機種で採用されていた高速通信機能LTEを、今後数年内に広く普及させるだろうとした。

 別の発表である「タブレット端末向けのレファレンスデザイン(QRD)」については、今回が初めてのタブレット端末向けのレファレンスデザインになる。これは、新興国向けなど、開発をできるだけ効率化したいメーカーから強い引き合いがあったものだという。

 ホールトン氏が語ったのは「Snapdragon800のWindows RT 8.1への対応」に関して。同氏は、「Snapdragon搭載機は、これまでとはまったく違うパソコンだ。スマートフォン型の体験を、Windowsに持ち込んだ」と表現する。具体的には、「Connected Standby」と呼ぶ機能を使い、画面を消した“待ち受け”状態でも、各種アプリケーションの最新情報を自動取得できるようにした。消費電力を抑えられるため、稼働時間を増やすことができる。

 競合他社との違いについては、CPUだけでなく、画像処理、GPSといった個々の機能要素に多大な投資をしてそれぞれ性能を上げていること、さらには、これらの要素を統合してシステムレベルの最適化を図っていることを挙げた。省電力と省メモリー、パフォーマンスをバランスよく制御できることに一日の長があると強調した。

この記事はITproのCOMPUTEX 2013ニュースから転載したものです。