BCDプロセスを日本に移管
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耐圧700Vプロセスの移管も検討
耐圧700Vプロセスの移管も検討
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 アナログ半導体に特化したファウンドリー企業であるイスラエルTowerJazz社は、「ISPSD 2013」(主催:電気学会、2013年5月26~30日に石川県立音楽堂(石川県金沢市)で開催)に同社として初めて同学会での展示ブースを構えた。同社は兵庫県西脇市に200mm工場を持ち、今後この拠点でパワー半導体の受託生産を手掛ける計画。「製造拠点を身近に持ちたいとのニーズが強い、日本の産業/車載分野の顧客を取り込む」(タワージャズジャパン)考えである。

 TowerJazz社は現在、イスラエルと米国の生産拠点で、BCDプロセスを用いたパワー半導体の受託生産を手掛けている。同プロセスを西脇工場に移管中で、近くプロセス認定が完了する見通し。これを受け、2013年夏に量産体制が整う予定である。日本では主に、産業用途や車載用途に向ける中~高耐圧品の受託生産を手掛ける考えで、今後はイスラエル工場で量産中の700V耐圧プロセスを西脇工場に移管することも検討するという。日本では「パワー半導体分野でもファブレス化が進んでおり、商談は増えている」(タワージャズジャパン)。

 TowerJazz社によれば、日本の顧客は製造プロセスを独自にカスタマイズしたいと考える傾向が強く、台湾の大手ファウンドリーなどではその自由度が小さいとの声が出ているという。同社は西脇工場をこうした声に応えるパワー半導体の受託生産拠点とすることで、日本での商機を拡大したい考え。当面は海外工場からのプロセス移管に取り組むが、「ゆくゆくは西脇工場にパワー半導体技術の開発機能を持ち、日本の顧客向けなどに独自の技術プラットフォームを提供できるようにしたい」(タワージャズジャパン)とする。

将来はSiCなどの次世代パワー半導体も視野