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HOMEエレクトロニクス電子デバイスSID 2013 > 【SID】SELなどが130lm/Wのフレキシブルな有機EL照明、演色性は犠牲に

SID 2013

【SID】SELなどが130lm/Wのフレキシブルな有機EL照明、演色性は犠牲に

  • 野澤 哲生=日経エレクトロニクス
  • 2013/05/27 13:14
  • 1/1ページ
AFD Inc.とSELが開発した360mm×300mmの有機ELパネル。
AFD Inc.とSELが開発した360mm×300mmの有機ELパネル。
[画像のクリックで拡大表示]
上のパネルを曲げた様子
上のパネルを曲げた様子
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 半導体エネルギー研究所(SEL)の100%子会社であるアドバンスト フィルム ディバイス インク(AFD Inc)とSELは、学会「SID 2013」で発光効率が130.6lm/Wの有機EL照明シートを開発したと発表した(講演番号66.4)。この発光効率は、半球状の光取り出し層を用いていない中では世界最高水準。ただし、発光色は黄色で、一般演色指数(CRI)は30と低いという課題を残した。

 AFD Incなどが開発したのは、寸法が56mm×42mmのフレキシブル有機ELシートである。輝度1000cd/m2の場合の発光効率は130.6lm/Wで、LEDでも照明器具込みではほとんど出せていない高い効率である。光取り出し層は発光側の樹脂基板表面を加工したものを利用し、パネルは薄いまま。CIE色座標は(0.49、0.50)と鮮やかな黄色である。

 加えて、寸法が360mm×300mmという大面積のフレキシブル有機EL照明シートも発表し、オーサーズ・インタビューで公開した。これは発光効率が110lm/Wで、CIE色座標は(0.50、0.50)。形状保持のため、作製後に金属箔をシートの裏面に貼っているが、半径30mmまでは曲げられるとする。

 AFD Incによれば、今回の高い発光効率は、あるホール輸送材料を発光層に加えたことにより、「エキサイプレックス(exciplex)」が構成され、その結果としてエネルギー損失が減ったことによるという。エキサイプレックスは、異なる二つの分子間での電子遷移によって発光する材料構成を指す。今回は、発光層のホスト材料とホール輸送材料との間でエキサイプレックスが構成され、ホールのエネルギー損失が軽減した。電子遷移による発光波長も、長波長側へ大きくシフトした。同時に、駆動電圧も0.3Vほど低下した。

演色性はナトリウム・ランプ並み

 ただし、これを見た他のメーカーの技術者からは「あのままでは照明には使えない」という声が相次いだ。発光色が鮮やかな黄色で、演色性を示すCRIの値が非常に低いからだ。最近の有機EL照明パネルのCRIは低くても70台、高演色性のものは90以上を競っており、30という値はナトリウム・ランプなどに近い。

 これについてAFD Incは「今回の発光層に用いたオレンジ色と緑色、そして青色発光の3材料のうち、青色発光だけはよいリン光材料がなく、そのエキサイプレックス化はさらに難しいため、蛍光材料を用いた。そしてその条件の中で最も発光効率が高くなるようにしたため、発光色が黄色になった。白色にすることにこだわれば、100lm/W超は難しかっただろう」と説明した。
 

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