講演する北畠氏
講演する北畠氏
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 「SEMI Forum Japan(SFJ)2013」(2013年5月21~22日、グランキューブ大阪)の会期2日目に行われた「パワーデバイスセミナー」では、パナソニックがSiC MOSFETへの取り組みを語った。登壇者は同社 R&D本部 デバイスソリューションセンターの北畠真氏、講演タイトルは「SiC-DioMOS(ダイオード一体型MOSFET)の開発」である。

 SiC-DioMOSは、インバータなどを構成する際にSiC MOSFETと組み合わせて使う外付けのSiCショットキ・バリア・ダイオード(SiC SBD)を、SiC MOSFETと一体化したデバイス。外付けのSiC SBDを不要にしてモジュールを小型化できることに加え、しきい値電圧の高いSiC MOSFETと、フォワード電圧の低い低損失のSiCダイオードを両立できる。従来、外付けのSiC SBDを不要にする手法としては、SiC MOSFETの寄生ダイオード成分を利用する手法が提案されてきたが、ダイオードの動作損失が大きいことやリカバリ時間が長いこと、大きなバイポーラ電流が流れて特性が劣化しやすいことなどが課題だった。これに対しSiC-DioMOSでは、これらの課題を克服でき、完全ユニポーラ型で高速かつ低損失のスイッチング・デバイスを実現できるという。

しきい値電圧は2V以上、フォワード電圧は1V未満に