2013年5月19~24日開催のディスプレイ関連の最大のイベント(学会、セミナー、展示会)「2013 SID Symposium, Seminar, and Exhibition(Display Week 2013)」についてレポートします。
SID 2013
2013 SID Symposium, Seminar, and Exhibition(Display Week 2013)、2013年5月19~24日にカナダVancouverで開催
目次
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【SID】継続的な「酸化物半導体+有機EL」開発と、さらなる進化を遂げる「液晶」(その2)
液晶モードの本流となったIPS液晶
今年のディスプレイ国際会議「SID 2013」の特徴は、液晶に関する発表が昨年に比べて大幅に増加していることである。特に、IPS(in-plane switching)に代表される横電界を利用したモードの発表が相次ぎ、IPS方式の液晶モードが主流になったことを印象づけられた。
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【SID】継続的な「酸化物半導体+有機EL」開発と、さらなる進化を遂げる「液晶」(その1)
新技術は早期の市場投入をすべき時期に
ディスプレイの先端技術を発表する国際会議「SID」では、ここ数年、将来の主役を目指す“有機EL”や“酸化物半導体”などの技術に注目が集まっている。これらについて議論するセッションには多くの聴衆が集まり、その技術も着実に進歩している。その陰で、これまでディスプレイの産業を引っ張ってきた“液晶”におい…
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【SID】NHKと日本触媒が大気に強い有機EL素子を開発、電子注入層などを改良
NHKと日本触媒は、ディスプレイ技術の学会「SID 2013」で、大気中の酸素や水分への耐久性が同社の従来の試作品に比べて大幅に高い有機EL素子を開発したと発表した。
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【SID】スマホ、タブレット、車載――多様化する市場への技術対応力をアピールしたジャパンディスプレイ
ジャパンディスプレイは、ディスプレイの国際会議「SID 2013」(2013年5月19~24日、カナダ・バンクーバー)のシンポジウムで、次世代スマートフォーンおよびタブレット端末に向けた5型フルHDと7型WQXGAの液晶パネル技術の詳細を発表した。この他にも、車載機器向けの3次元(3D)ディスプレ…
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【SID】未来のディスプレイを実現する材料:液晶パネルの色域を大幅に広げる量子ドット
ディスプレイの国際会議「SID 2013」(2013年5月19~24日、カナダ・バンクーバー)では、液晶ディスプレイの色域を大幅に広げて有機ELと同等にするための技術が発表され、多くの聴衆の注目を集めた。展示会場では米3M社が量子ドットを使ったフィルム「QDEF」のデモを披露し、シンポジウムでは米…
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【SID】「新しい時代に入った」とパナソニック、高効率有機ELパネルを公開
パナソニックは2013年5月14日に発表した、高効率有機EL照明パネルの詳細について学会「SID 2013」で発表し、さらにオーサーズ・インタビューでパネルを公開した。
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【SID】SELなどが130lm/Wのフレキシブルな有機EL照明、演色性は犠牲に
半導体エネルギー研究所(SEL)の100%子会社であるアドバンスト フィルム ディバイス インク(AFD Inc)とSELは、学会「SID 2013」で発光効率が130.6lm/Wの有機EL照明シートを開発したと発表した。
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【SID】ウエアラブル端末向け次世代ディスプレイ、各社が競演
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【SID】AUOが65型フルHDの有機EL、RGB塗り分けで試作
台湾AU Optronics社(AUO)は、学会「SID 2013」のシンポジウムで、65型フルHの有機ELディスプレイを試作したと発表した(講演番号21.3)。フルHDの有機ELディスプレイとしては世界最大級である。バックプレーンにはアモルファスInGaZnO(a-IGZO)TFTを利用した。ま…
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【SID】パナソニック、発光効率に優れる白色有機EL素子を開発
パナソニックは、照明向けに発光効率の高い白色の有機EL素子を開発したと発表した(図、ニュースリリース)。発光面積が1cm2の同素子で、発光効率は114lm/Wと「世界最高」(同社)。照明器具に応用した場合、現行のLED照明器具の発光効率である約80lm/Wと同等以上にできる可能性があるという。
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【SID】MEMSもIGZOで駆動、Pixtronixのディスプレイに実装
米Pixtronix社は、展示会「SID 2013」において、7型MEMSディスプレイを親会社の米Qualcomm社のブースに出展した。画素数は1280画素×800画素で、24ビットの色表現力を備える。バックプレーンとしてシャープのIGZO技術を実装した。これは、シャープとPixtronix社が20…
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【SID】“曲げられる”有機ELディスプレイは高精細/大型に、パナソニックや東芝など
今回の「SID 2013」では、フレキシブル有機ELディスプレイの発表が多い。一部はフルHD(1920画素×1080画素)相当など高精細化、大型化へ進み始めた。また、InGaZnO(IGZO) TFTは今回発表のすべてのフレキシブル有機ELディスプレイで採用された。
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【SID】SELとシャープなど、トップ・エミッション型フレキシブル有機ELディスプレイを作製
半導体エネルギー研究所(SEL)とシャープ、アドバンスト フィルム ディバイス インクの3社はSID 2013において、3.4型のフレキシブル有機ELディスプレイ・パネルを作製したこと、およびその製法について講演した(講演番号18.2)。また、講演後のオーサーズ・インタビューで、パネルを実演した。
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【SID】基調講演でSamsung Display社長、「これからはフレキシブル有機ELの時代に」
SID 2013の基調講演には、韓国Samsung Display社 President&CEOのKinam Kim氏、米Microsoft社 Microsoft Research、Principal ResearcherのBill Buxton氏、そして米Oregon State Univers…
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【SID】SID 2013が開幕、学会は有機ELがメイン・テーマに
ディスプレイ関連技術の国際学会と展示会である「SID Display Week 2013」が2013年5月19日にカナダのバンクーバーで開幕した(学会は5月21~24日、展示会は5月21~23日)。
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【SID】未来のディスプレイを実現する材料:進化を続けるAGCのガラス技術
ディスプレイの国際会議「SID 2013」がカナダのバンクーバーで開幕した。筆者は昨年の会議・展示会の報告として、「未来のディスプレイを実現する材料」を3件取り上げた。今回も、その続きとして、様々な材料技術の進化を取り上げたい。最初は、昨年も報告したAGC(旭硝子)のガラスの1年後の姿である。
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【SID】旭硝子、表示デバイスへの直貼工程を簡素化するカバー・ガラス
旭硝子は、タブレット端末などの表示デバイスへの直貼りに向けたカバー・ガラスを開発した。カバー・ガラスと表示デバイスの直貼工程を大幅に簡素化でき、ディスプレイの表示コントラストを高めるという。
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【SIDプレビュー】東芝が透過型片面発光有機ELの謎を種明かし、表と裏の輝度比は70対1に
東芝は、2013年5月20日に開幕するディスプレイ技術の学会「SID Display Week 2013(SID 2013)」において、透過型有機ELの詳細を発表する(講演番号49.4L)。明らかにするのは、2013年3月5~8日の展示会「ライティングフェア」で参考出展した「透過型片面発光有機EL…
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【SIDプレビュー】ハイエンドFPDの歩留まり改善を支援、Corningが新型ガラス
米Corning社は、高機能ディスプレイ用ガラス基板の第2世代に当たる「Corning Lotus XT Glass」の発売を開始した。有機ELディスプレイや高精細液晶ディスプレイの駆動に用いられる、低温多結晶Si(LTPS)TFTや酸化物半導体TFT用のガラス基板として製品化したものである。