(1)Intel社のFinFET(トライゲート・トランジスタ)を用いた22nm世代混載DRAM SoC技術
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(2)IBM社、GLOBALFOUNDRIES社のSiGe on Insulator基板を用いたp型FinFET技術
(2)IBM社、GLOBALFOUNDRIES社のSiGe on Insulator基板を用いたp型FinFET技術
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(3)IMECとGLOBALFOUNDRIES社のひずみGeチャネルを用いたpMOSFET技術
(3)IMECとGLOBALFOUNDRIES社のひずみGeチャネルを用いたpMOSFET技術
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(4)パナソニックの有機光電膜(OPF)を用いたCMOSイメージ・センサ技術
(4)パナソニックの有機光電膜(OPF)を用いたCMOSイメージ・センサ技術
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(5)STMicroelectronics社、CEA-LETIの28nm世代FDSOI技術による6トランジスタSRAMセル
(5)STMicroelectronics社、CEA-LETIの28nm世代FDSOI技術による6トランジスタSRAMセル
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(6)パナソニックのニューラル・ネットワーク応用を目指した3端子強誘電体メモリスタ技術
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(7)STMicroelectronics社、Samsung Electronics社、GLOBALFOUNDRIES社、IBM社による64nmピッチの微細配線技術
(7)STMicroelectronics社、Samsung Electronics社、GLOBALFOUNDRIES社、IBM社による64nmピッチの微細配線技術
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(8)Samsung Electronics社によるサブ20nm世代の垂直磁化STT-MRAM技術
(8)Samsung Electronics社によるサブ20nm世代の垂直磁化STT-MRAM技術
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(9)Macronix International社のコンダクティング・ブリッジ型ReRAM技術
(9)Macronix International社のコンダクティング・ブリッジ型ReRAM技術
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 半導体デバイス・プロセス技術に関する国際会議「2013 Symposium on VLSI Technology」が2013年6月10~13日にリーガロイヤルホテル京都(京都市)で開催される(関連記事)。同学会の論文委員がプレス発表向けに選んだ注目論文は、以下の9件である。米Intel社の混載DRAM技術やpMOSの高性能化技術、有機光電膜(OPF)を用いたCMOSセンサ、新型メモリ技術などが選ばれた。いずれも論文の評価ランキングにおいて上位15%以内に入っているという。

 (1)Intel社はFinFET(トライゲート・トランジスタ)を用いた22nm世代の混載DRAM SoC技術について講演する(講演番号:T2-1)。同社は2012年のSymposium on VLSI Technologyにおいて22nm世代のFinFET技術を発表し、大きな注目を集めた(関連記事)。今回は低リークのFinFETを混載DRAMのセル・トランジスタとして利用し、同時に高性能トランジスタも同一チップ上に形成している。混載DRAMには高アスペクト比のMIM(metal insulator metal)キャパシタを用いたCOB(capacitor over bitline)構造を用いた。セル寸法は0.029μm2。95℃の高温環境下で100μs以上のデータ保持時間を実現した。

 (2)米IBM社と米GLOBALFOUNDRIES社は、SiGe on Insulator基板を用いたp型FinFET技術について報告する(T2-2)。一般にSiチャネルのpMOSはnMOSに比べて性能が劣るため、高移動度のSiGeチャネルを採用することで高性能化する技術が検討されている。今回はそこにFinFET技術を組み合わせた。さらにFin幅を18~10nmと細くし、ゲート長も18nmまで微細化した。ソース/ドレイン領域はイオン注入ではなく、エピタキシャル成長時にドーピングを行う技術によって形成している。1V動作時にオン電流が1.1mA/μm、オフ電流が100nA/μmという性能を達成しており、「SiGeチャネルFinFETとしては完成度が高い」(論文委員)とする。

 (3)ベルギーIMECとGLOBALFOUNDRIES社は、ひずみGeチャネルを用いたpMOSFETについて発表する(T2-3)。(2)と同様にpMOSの移動度を高める試みの一つだが、こちらの方がより移動度の高いチャネル材料を用いている。その分、「デバイスとしての完成度は(2)ほどは高くない」(論文委員)という。STIで囲まれた領域にSiGeバッファ層とGeチャネル層を形成しており、SiGeバッファ層によってGeチャネルに圧縮ひずみを与えている。

 (4)パナソニックは有機光電膜(OPF)を用いたCMOSイメージ・センサ技術を提案する(T2-4)。OPFは従来のSiフォトダイオードに比べて、より多くの光電子を溜め込むことができるため、画像の飽和レベル(ダイナミックレンジ)を従来のSiに比べて+12dB改善できるという。また、OPFを用いることによって受光部の構造を薄くできるため、センサ全体を低背化できるほか、隣接ピクセル間のクロストークも抑制できる。

 (5)伊仏STMicroelectronics社と仏CEA-LETIは、28nm世代のFDSOI技術で構成した6トランジスタSRAMセルについて講演する(JJ2-3)。低電圧動作時に高速の読み出しが可能とする。具体的には、同世代のバルクCMOS版SRAMに比べて読み出し電流を1V動作時に50%、0.6V動作時に200%それぞれ改善した。セル面積0.120μm2の高密度版、同0.152μm2の高電流版、同0.197μm2の低電圧版の3種類を用意している。