NFC対応スマートフォンを小型装置にかざしたところ
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電子ペーパーに会員証やバーコードが表示される
電子ペーパーに会員証やバーコードが表示される
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複数のサービスに対応したシンクライアント読み取り端末。デモではNFC対応のタブレット端末を使用
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電子マネーのnanacoを認識したところ
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Samsung社が開発しているNFCチップとSE内蔵SiP
Samsung社が開発しているNFCチップとSE内蔵SiP
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 フェリカネットワークスはスペインのバルセロナで開催された携帯通信関連イベント「Mobile World Congress 2013」で、電子ペーパーやNFCアクティブ・タグを搭載した小型の装置(以下、小型装置)を使ったシステムを展示した。数万円するNFCのリーダー/ライター端末を導入しなくても、少ない投資で既存の会員システムやクーポン・システムをNFCに対応させられるという。

 来店した顧客は、NFCに対応したスマートフォンを店側の小型装置にかざす。スマートフォンのアプリがNFCを介して小型装置のIDを取得し、これをサーバーに送信する。すると、サーバー側で認証が行われ、会員情報やクーポン券のバーコードなどがサーバーからスマートフォンを経由して小型装置に送られる。こうした情報が小型装置が備える電子ペーパーに表示される。表示したバーコードは、そのまま既存のバーコード・システムで利用できる。

 アクティブ・タグやNFCを使わなくても、スマートフォンの画面に会員情報やバーコードを表示すれば、同様にシステムを構築できる。ただ、例えば情報を表示したスマートフォンの画面を第三者が撮影した場合には、なりすましが可能になってしまう。第三者がスマートフォンにその情報を表示すれば、本人だと認識されてしまうからだ。これに対し、店側が小型装置に表示した情報を利用する場合には、認証が介在するため、なりすましは難しい。加えて、電子ペーパーはスマートフォンの画面よりもバーコードの読み取り精度が高いという利点もある。

 同社はシンクライアント・リーダー端末によるNFCシステムも展示した。従来のNFC(FeliCa)対応システムでは、店舗側が電子マネーなどの対応サービスを増やそうとすると、リーダー端末をマルチ対応のものに買い替えるか、そのサービスに対応するリーダー端末を追加する必要があった。これに対し、シンクライアント・リーダー端末を利用したシステムでは、リーダー端末はNFCによる情報の取得のみを行い、アプリケーション処理はクラウド側で行える。読み取り時に通信環境は必要になるものの、ソフトウエアの書き換えだけで対応サービスを追加できるようになる。

 また、MWCでは韓国Samsung Electronics社がフェリカネットワークスと共同で開発しているNFCチップおよび、NFCチップとSE(secure element)を内蔵したSiP(system in a package)も展示した。