支持用のガラス基板に仮貼り合わせしたウエハーから任意のチップを別ウエハーに移植する(東北大学とレーザー技術総合研究所のデータ)。
支持用のガラス基板に仮貼り合わせしたウエハーから任意のチップを別ウエハーに移植する(東北大学とレーザー技術総合研究所のデータ)。
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SAW共振器で移植技術を実証した(東北大学とレーザー技術総合研究所のデータ)。
SAW共振器で移植技術を実証した(東北大学とレーザー技術総合研究所のデータ)。
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 2013年1月に開催されたMEMS関連の国際学会「IEEE MEMS 2013」では、異種デバイスを高度に統合するためのパッケージング技術に関する発表がいくつかあった。そのうちの一つは、チップの仮貼り合わせと剥離に関する技術(論文番号:002)。ウエハー・レベルで、MEMSチップを信号処理チップにフリップチップ実装する際に有効である。

 この技術では、まずは多数のMEMSデバイスなどを形成したウエハーを、支持基板となるガラス基板に仮貼り合わせして、製造装置が把持しやすい状態にしておく。各MEMSデバイスは、周囲のチップとの境界を切断しておく(ガラス基板は切断しない)。このウエハーから任意のMEMSチップを、別ウエハーに形成した信号処理チップなどに載せて接続する。この後に、任意のMEMSチップのみをガラス基板から剥離する。チップの配置を工夫すれば、ウエハー・レベルで扱えて、複数のチップをまとめて実装できる。

 仮貼り合わせの剥離は、ガラス基板の裏面(ウエハーを貼っていない側)からレーザー光を照射して仮貼り合わせ用の接着層の一部を硬化させて行う。今回の発表では、この移植技術をSAW共振器で実現できることを確認した。