ウエルカム・アドレスの様子(写真:Tech-On!)
ウエルカム・アドレスの様子(写真:Tech-On!)
[画像のクリックで拡大表示]
特殊なプロセスを使わない圧力センサの断面(写真:State Key Lab of Transducer Technology, Shanghai Institute of Microsystem and Information)
特殊なプロセスを使わない圧力センサの断面(写真:State Key Lab of Transducer Technology, Shanghai Institute of Microsystem and Information)
[画像のクリックで拡大表示]
Siクロックを利用した圧力センサのダイヤフラム部の断面(写真:Stanford University, Stanford, Robert Bosch RTC)
Siクロックを利用した圧力センサのダイヤフラム部の断面(写真:Stanford University, Stanford, Robert Bosch RTC)
[画像のクリックで拡大表示]

 台北で開始中の「IEEE MEMS 2013」は,特にアカデミア主体の国際会議ですが,今年も産業界向けに目に留まった発表を速報します。

 これから携帯電話機の位置情報サービスは「3次元化」し,たとえば,何階にいるかを認識して,建物内のナビゲーション機能が提供されるようになります。既にいくつかの携帯電話機には,このような機能が入っています。登り降りの検出は気圧センサで行われますが,圧力センサと言えば,最も古いMEMSの一つであり,MEMSという言葉が生まれるずっと前,1970年代からありました。その頃から,圧力センサは既に読み出し回路と集積化されており,ピエゾ抵抗または容量電極と集積回路とを形成したSi基板を,裏面からエッチングしてダイヤフラムを形成した構造が一般的です(Borky and Wise, IEEE Trans. Elect. Dev., ED-26 (1979),Sander, Knutti and Meindl, IEEE Trans. Elect. Dev., ED-27 (1980)など)。そのような「古い」圧力センサが,上に述べた携帯電話機への応用のため,俄然,注目を集めているわけです。

 現在,主に携帯電話機向けに,各3軸の加速度センサ,ジャイロ,および地磁気センサがSIP(system in package)によってまとめられ,「コンボセンサ」といった名前で売られています。ここに気圧センサが入れば,10軸センサになりますが,コンボセンサの大きさは既に4 mm角四方,厚さ1 mm以下といったところまで小形化しており,ここに入る圧力センサは,当然,小さくなくてはなりません。また,小さいことと安いことは強く相関します。