図1 Etron社のデモ。写真左上の「DepthMap」の色は奥行きに応じている。指を折り曲げて奥行きが変化したことが、DepthMapにほぼリアルタイムで反映されていた。
図1 Etron社のデモ。写真左上の「DepthMap」の色は奥行きに応じている。指を折り曲げて奥行きが変化したことが、DepthMapにほぼリアルタイムで反映されていた。
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図2 Etron社 董事長のNicky C. C. Lu(盧超群)氏
図2 Etron社 董事長のNicky C. C. Lu(盧超群)氏
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図3 CubeSenseを用いたデモ。解像度がQVGAのCMOSセンサを二つ内蔵し、画角は90度。3〜5m離れたオブジェクトの位置データを、1cm以内の誤差で1/60秒ごとに出力するという。
図3 CubeSenseを用いたデモ。解像度がQVGAのCMOSセンサを二つ内蔵し、画角は90度。3〜5m離れたオブジェクトの位置データを、1cm以内の誤差で1/60秒ごとに出力するという。
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図4 NUFRONT社のジェスチャー入力IC
図4 NUFRONT社のジェスチャー入力IC
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 手や腕の動きをタブレットやテレビの操作に使う、いわゆるジェスチャー入力を安価に実現しようと台湾や中国のファブレスIC企業が動いている。いずれも安価な可視光向け撮像素子を二つ用いる。検出精度の検証など今後詰めなければならない点も残っているが、「一般的なゲームなどに適用する分には十分」という。

 USB3.0ホスト・コントローラICの設計などを手掛ける台湾Etron(鈺創)は、開発したIPを実装したFPGAと解像度がVGAのCMOSセンサを二つを用いたデモを「International CES 2013」で見せていた(図1、プレスリリース)。ジェスチャー入力ICのサンプル出荷は、2013年第2四半期に始める予定。解像度がHDのCMOSセンサにも対応する。

 ジェスチャー入力ICは、二つのCMOSセンサを同期して動作させて二つの動画を取得する。動きを検出する必要がないオブジェクトの情報を間引た上で、二つの動画の差異から三角測量の要領で奥行き情報を得てUSB3.0/2.0を介して出力する。同ICは、色の違いで奥行き示した2次元の映像「DepthMap」を出力する機能がある。

 これらの出力データは、軽量なのでタブレットやテレビのプロセサの負荷がほとんど増えないとしている。「当社ICと安価なCMOSセンサの組み合わせこそが、コスト・パフォーマンスに優れたジェスチャー入力の実現法ではないか」(Etron社 董事長のNicky C. C. Lu(盧超群)氏、図2)。

 一方、タブレット向けプロセサやベースバンドLSIなどを手掛ける中国NUFRONT(新岸線)社は、「CubeSense」と呼ぶリファレンス・デザインを用いてAndroid用ゲームを楽しめることを示した(図3)。展示したCubeSenseは、試作チップを用いていた(図4)。2013年3月にSDKの提供を始め、2013年第3四半期にICの量産出荷を始める予定という。