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【麻倉怜士CES報告21】パナソニック北米現地法人の北島嗣郎社長に聞く、「テレビは絶対にやめません」

麻倉 怜士=評論家、日本画質学会副会長
2013/01/15 19:23
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Panasonic Beautyの理美容製品を米国市場に導入(キーノート・スピーチのステージ)
Panasonic Beautyの理美容製品を米国市場に導入(キーノート・スピーチのステージ)
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プラズマ・テレビと液晶テレビの新製品(キーノート・スピーチのステージ)
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記者会見でスピーチするPanasonic Consumer Marketing Company of North AmericaのPresidentの北島嗣郎氏
記者会見でスピーチするPanasonic Consumer Marketing Company of North AmericaのPresidentの北島嗣郎氏
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Panasonic Consumer Marketing Company of North AmericaのPresidentの北島嗣郎氏
Panasonic Consumer Marketing Company of North AmericaのPresidentの北島嗣郎氏
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 パナソニックは開幕のキーノートと記者会見という二つの重要な「International CES」の行事をこなしたが、戦略的にコンセプトを違えた発表をした。同社 代表取締役社長の津賀一宏氏のキーノートでは、「パナソニックはテレビだけの会社でないこと」を強烈にアピールした。パナソニックは総合弱電メーカーであること、そして既にB to B領域で広範なビジネスを展開していることを紹介した。

 しかしそれだけだと、事前に予想されていた「脱テレビ」のイメージが濃厚になる。そこで、CES開幕前日の記者会見では徹底的にテレビにこだわった。記者会見の登壇したPanasonic Consumer Marketing Company of North AmericaのPresidentの北島嗣郎氏にインタビューした。

――昨年(2012年)のCESの記者会見ではエコの話がメインでしたが、今年(2013年)はテレビの展開の話に集中していましたね。

北島 日本では「脱テレビ」「脱プラズマ」などと言われているので、津賀社長に「本当のところはどうなんですか」と尋ねたところ、「ニュアンスが違って受け取られた」と仰っていました。それならば、米国市場向けに“テレビ・ビジネスは健在”と記者会見で訴えようと決めました。われわれは絶対にテレビをやめないことをはっきり打ち出すことが、記者会見の最大のミッションでした。

――米国市場でのテレビ・ビジネスの現状は?

北島 確かに価格が下がっているので、民生用の売り上げは下がっています。しかし、ここのところ強化している業務用が予想以上に伸びていますので、トータルのテレビ事業としては、売り上げは伸びているのです。実は、民生用も今年は、昨年以上に気合いが入っています。

――記者会見で発表された2013年のテレビの新製品は、液晶テレビが16、プラズマ・テレビが16の合計32モデルにものぼっています。

北島 今回はテレビの新しい使い方をメインに提案しました。放送、ネット・コンテンツの視聴、ユーザー間のコミュニケーション、ソーシャル・テレビ……とさまざまな機能が集積したのが、われわれが言う「スマートビエラ」です。パナソニックは2008年から業界に先駆けてネット・コンテンツの活用を手掛け、毎年、新しいアプリケーションを追加してきました。2013年モデルでは「パーソナリゼーション」をテーマにしました。アメリカは徹底的にネット社会です。クルマで1時間走らないと店がないような環境では、ネットはライフラインなのです。ビデオ・オン・デマンドも盛んです。ネットが生活に入り込んでいるのです。

――柱はこの四つですね。(1)My Homes Screen。テレビ上にあるカメラで視聴者を特定し、例えばお父さんがよく使うコンテンツのアイコンをポータル画面に出す。(2)スマートフォンからのYouTube視聴。スマートフォンでYouTubeのプログラムを選択し、アドレスをテレビに飛ばし、テレビでYouTube動画を再生する。(3)大手通販HSN社の通販サービスの画面をテレビに表示し、リモコンで操作できる。(4)スマートフォンとテレビのデータのやり取りを双方向にした「SWIPE&SHARE 2.0」。これまでスマートフォンからテレビへの一方向だったのが、テレビからスマートフォンへの逆方向も可能にした。

北島 はい。米国第2位の通販会社HSN社のサービスの実現には8カ月もかかりました。HSNさんは「ハードウエア・メーカーの作るアプリにはのれない」と仰るので、「それでは、お任せしますから」と、思う通りに縦横に作ってもらいました。大変だったのは、課金の完全性、安全性の確保です。クレッジット・カードでの課金がハードウエア機器の上で確実にできるのかの検証に時間がかかりました。

――プラズマ・テレビはどんな状況ですか。

北島 テレビ市場全体における構成比は12~13%ですが、メーカーが世界で3社(パナソニック、韓国Samsung Electronics社、韓国LG Electronics社)のみなので、事業はある意味で安定しています。プラズマ・テレビに対する雑誌の評価もとても高いので、画質の分かるお客さんに買っていただいています。米国の家電量販店の社長は、ほとんどプラズマ・テレビを愛用しています。「皆さん、プラズマ・テレビを家庭で見ているのだから、液晶ばかり売らないで、もっとプラズマ・テレビを売ってください」と言っています。

――津賀社長のキーノートの舞台には理美容製品が並んでいました。

北島 昨年の秋に「Panasonic Beauty」を米国市場に導入しました。日本では大変な人気なので、ぜひ米国に持ってこようと考えたのです。しかし、テストしてみて、これは大変だと思いました。日本と同じものは使えないのですね。例えば黒人の髪は硬いので、日本仕様のカッターではすぐにボロボロになってしまいます。そのため1年をかけて、米国でも十分に使える電動歯ブラシ、アイラッシュカラー、鼻毛取り、むだ毛処理器などを開発し、2012年9月に市場投入しました。

 ニューヨークの近くにショールームを開いたところ、まずアジア系の女性が殺到し、次に白人が多く訪れています。価格的には、ドライヤーでは市場平均で14.99米ドルのところが、パナソニックのものは29.99米ドルですが、飛ぶように売れています。

――新しい分野への挑戦を期待しています。ありがとうございました。

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