テレビの前に設置されている一体型スピーカーが「Soundbar」である
テレビの前に設置されている一体型スピーカーが「Soundbar」である
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 米Analog Devices社は、5.1チャネルの3Dサラウンド・オーディオを1チップのDSPで実現する技術について、「2013 International CES」で紹介した。

 同社はここ数年、浮動小数点DSP「SHARC」を活用した3Dサラウンド・オーディオ技術を、音響機器メーカー向けに提案していた。それがいよいよ「Sherwood」ブランドの一体型ステレオ・スピーカー(いわゆるサウンドバー)に採用され、発売されるという。CESの招待客向け特設会場で、Sherwoodのステレオ・スピーカーを実際に設置し、1台のスピーカーで迫力のある3Dサラウンドを構成できることを来場者にアピールした。

 今回の技術は、Analog Devices社が3Dサラウンド技術を手掛けるOPSODIS社と協力して実現したもの。OPSODISの立体音響技術のノウハウを基に、Analog Devices社のSHARC上で実行している。搭載するSHARCは、最大動作周波数が400MHzの「ADSP21487」で、ドルビーやDTSの復号とOPSODISの音場生成を、1チップで処理できる。「一昨年のCESの展示では2チップ構成だったが、昨年に1チップ構成になった。そしていよいよ今年は、製品として発売されるものを展示できた」(アナログ・デバイセズ)と、CESの展示内容が毎年進化していることを示した。

 Sherwoodブランドで発売される今回のスピーカーの名称は「Soundbar S-9/S-7」。機能の違いで二品種存在するが、いずれも「SHARC 21487」を採用する。価格は、「S-7」で299米ドル程度という。

 Sherwoodブランドは、韓国Inkel社が自社ブランド品に用いているもの。Inkel社はほかの音響機器メーカー向けにOEM供給も行っていることから、今後ほかのブランドからも、同様のサウンドバーが登場する可能性がありそうだ。