Leap社が開発した動き検出装置
Leap社が開発した動き検出装置
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検出技術を用いたデモの様子。
検出技術を用いたデモの様子。
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 約60cm角の領域にある物体の3次元の動きを10μmの精度で検出する。使うハードウエアは、Webカメラなどに使う普通のCMOSセンサと赤外線LED。指やペン先の動きを高精度で捉え、パソコンの画面上での細かな作業も可能にする――。

 そんな技術を開発したベンチャー企業がある。米国シリコンバレーのサンフランシスコに本社を置くLeap Motion社だ。2013年1月8日(現地時間)から米国ラスベガスで開催中の民生機器展示会「2013 International CES」に、開発を進める動き検出技術「Leap」を出展した。手の動きなどをパソコンやタブレット端末、テレビの入力に使う。いわゆるジェスチャー入力によるユーザー・インタフェース(UI)への応用を目指す。

YouTubeのデモ動画で話題に

 同社の技術は、2012年5月に動画共有サイト「YouTube」でデモ動画が公開されると大きな話題となった(YouTube上のデモ動画はこちら)。従来のジェスチャー入力に比べて、自由自在かつスムーズな画面内への入力を可能にしていたからだ。あまりに繊細でスムーズな様子を見て「合成した動画ではないか」という声も上がったほどだ。だが、「すべて実際のデモの様子を撮影した」と、同社の担当者は話す。

 開発した動き検出装置は、外形寸法が80mm×30mm×11.5mmで、重さは32g。手のひらの中にほぼすっぽりと入ってしまう大きさだ。CMOSセンサと赤外線LEDを内蔵する。物体で反射した赤外線をCMOSセンサで捉えることで動きを検出する。いわゆる「TOF(time of flight)型」の技術の一種とみられる。

 センサの検出角度は150度。約60×60×60cmの範囲で3次元の動きを検出できる。例えば、10本の指を使った場合、290フレーム/秒でそれぞれの指の動きを追い掛けることが可能だ。前後/左右/上下で検出精度は同じという。指などの動きから実際のUIに反映するまでの遅れ時間(レイテンシ)は3ms前後と短い。同社は、この検出装置を69.99米ドル(事前申し込みの価格)で2013年第1四半期中に売り出す。USB端子でパソコンにつなぐことで利用できる。

 では、検出精度10μmという性能を実現できた理由は何か。