Samsung社が公開した110型の4Kテレビ
Samsung社が公開した110型の4Kテレビ
[画像のクリックで拡大表示]
Hisense社の110型4Kテレビ
Hisense社の110型4Kテレビ
[画像のクリックで拡大表示]
KONKA社の84型4Kテレビ
KONKA社の84型4Kテレビ
[画像のクリックで拡大表示]
TCL社の110型4Kテレビ
TCL社の110型4Kテレビ
[画像のクリックで拡大表示]
Haier社の84型4Kテレビ
Haier社の84型4Kテレビ
[画像のクリックで拡大表示]
Skyworth社の84型4Kテレビ
Skyworth社の84型4Kテレビ
[画像のクリックで拡大表示]

 2013年1月8日に米国ラスベガスで開幕した家電展示会「2013 International CES」。テレビ・メーカーの展示ブースは、2年ほど前の「3Dテレビ」の熱狂に代わり、「UHD(ultra HD)」の文字が至る所に踊っている。UHDは、4K×2K(3840×2160)画素の、いわゆる4K映像を指す。4K映像に対応した大画面テレビ(4Kテレビ)を、多くのテレビ・メーカーが出展した。

 パナソニックやシャープ、ソニー、東芝といった日本メーカーに加え、韓国のLG Electronics社、Samsung Electronics社が、昨年後半から製品発表が相次いでいる55~85型の液晶テレビの新機種をアピール。画面寸法が異なる複数の機種を発表し、製品ラインアップを拡充する動きも目立つ。Samsung社は、110型と大型の4Kテレビの試作機を出展した。

 そうした中で特に目立ったのが、中国のテレビ・メーカーの動向だ。84型以上の大画面4Kテレビを、ほとんどの中国メーカーが会場内で展示した。例えば、Hisense社は85型と110型の4Kテレビをブース内でアピールした。110型は試作機だが、同社の説明員によれば84型は既に中国で販売を始めたという。価格は、1万米ドル程度と説明している。この他、TCL社が84型と110型、Haier社やKONKA社、Skyworth社が84型の4Kテレビの展示をブース内の目立つ位置に構えた。

 各社の意気込みからは、2013年が「4Kテレビ元年」になりそうな印象を受ける。ただ、そのこと自体はテレビ・メーカーにとって簡単には喜べない現実がある。画質の良し悪しの点で違いはあるものの、液晶パネルの調達が可能ならば、どのメーカーでも4Kテレビを製造できるチャンスが訪れているという側面があるからだ。

 現状の4Kテレビは価格が100万円を超える超高級機種ではあるが、これまでの歴史を見る限り、一度普及が加速すれば、従来の大画面テレビと同様に価格低下が一気に進む可能性が高そうだ。

 消費者視点では、安価で高精細な大画面テレビの選択肢は増える。一方で、4Kテレビをテレビの価格下落を食い止める切り札にしたいと考えるテレビ・メーカーにとっては、悩みが深まることになる。