米サンフランシスコで2012年12月10~12日に開催された電子デバイスの技術者ミーティングをレポートする。
IEDM 2012
【2012 IEEE International Electron Devices Meeting】2012年12月10~12日、米サンフランシスコ
目次
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【2012年のIEDMを振り返る】IntelやTSMCがGeやIII-V族に本腰、ポストSi材料が次世代トランジスタの焦点に
例年、次世代トランジスタ技術に関する発表が相次ぐ「International Electron Devices Meeting(IEDM)」。5年ほど前まで、その主役は「ひずみSi」や「high-k/メタル・ゲート」といった、Si-CMOSのブースタ(性能向上)技術だった。ここ数年で、その様相は一…
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【IEDMを振り返る】シャープによるIGZOの量産化が後押し、酸化物半導体に注目集まる
競争率が高いことで知られる「International Electron Devices Meeting(IEDM)」のLate News。2012年12月に米国で開かれた「IEDM 2012」では、選ばれた4件のうち、2件が酸化物半導体に関する成果だった。Si(シリコン)業界からも、この材料に熱…
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【2012年のIEDMを振り返る】「SoC製造の寡占化」と「モバイルへのシフト」、二つの潮流が鮮明に
半導体デバイス・プロセス技術に関する世界最大の国際会議である「International Electron Devices Meeting(IEDM)」は、“半導体業界の今を映す鏡”。基調講演や昼食会にどのような講演者が招かれるのか、技術セッションやパネル・ディスカッションにどのようなテーマが選ば…
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【2012年のIEDMを振り返る】モバイル端末向けSoC技術の新星、FDSOIトランジスタに注目集まる
2012年12月の「International Electron Devices Meeting(IEDM) 2012」(米国サンフランシスコ)では、スマートフォンやタブレット端末の心臓部を担うSoC(system on a chip)技術の発表に熱い注目が集まった。目下、論理LSIメーカー各社の…
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【2012年のIEDMを振り返る】ポストNANDを巡る議論が白熱、浮遊ゲート延命・3次元化・ReRAMの三つ巴に
「NANDフラッシュ・メモリはこれまで、微細化さえしていればコストを下げられたが、それが行き詰まってきた。非常に厳しい状況だ」。2012年10月に開催された「CEATEC JAPAN 2012」の基調講演に登壇した東芝の齋藤昇三氏(代表執行役副社長 電子デバイス事業グループCEO)は、NANDフラ…
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【2012年のIEDMを振り返る】サンプル出荷が始まったSTT-MRAM、SRAM/DRAM代替に向けた開発競争が激化
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【IEDM】Everspin、サンプル出荷を始めた64MビットSTT-MRAMの特性を披露
米Everspin Technologies社は、「IEDM 2012」において同社が2012年11月にサンプル出荷を始めた64Mビットのスピン注入磁化反転型MRAM(STT-MRAM)のチップ特性を紹介した(論文番号29.3)。エラーなく書き換え/読み出しを実行できることや、書き換え電圧とブレー…
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【IEDM】Intelが微細化の極限とポストCMOSを展望、「いずれ全宇宙の星を超える数のトランジスタが同一ウエハーに」
米Intel社は「IEDM 2012」において、CMOSトランジスタの微細化を極限まで続けるための要素技術や課題、ポストCMOSデバイス技術に関する展望を示した(論文番号8.1)。CMOSトランジスタの微細化を極限まで続けるためには、短チャネル効果の抑制や高移動度チャネルの導入、寄生抵抗の低減が重…
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【IEDM】TSMCがSi基板上にGeチャネルFinFETを実現、良好なトランジスタ特性を実証
台湾TSMC(Taiwan Semiconductor Manufacturing Co., Ltd.)は、SiベースのFinFETと同様のプロセス技術を用いてSi基板上にGeチャネルFinFETを作製し、優れたトランジスタ特性が得られることを「IEDM 2012」で示した(論文番号23.5)。コ…
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TSVにカーボン・ナノチューブを活用、産総研が熱伝導率を大幅に改善
産業技術総合研究所(AIST)は、カーボン・ナノチューブを用いたサーマル・ビアの開発状況について「IEDM 2012」で報告した(講演番号33.5)。
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【IEDM】GLOBALFOUNDRIES社CEOがムーアの法則の堅持に意欲、「7nm世代への微細化にも450mmウエハーにも対応する」
米GLOBALFOUNDRIES社CEOのAjit Manocha氏は、「IEDM 2012」会期2日目の昼食会(Luncheon)で「Is the Fabless/Foundry Model Dead? We Don't Think So. Long Live Foundry 2.0 !」と題し…
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【IEDM】SK Hynixが3次元NANDフラッシュ・メモリをサンプル出荷へ、「40層の一括加工が可能」
韓国SK Hynix社は、同社が開発中の3次元NANDフラッシュ・メモリ技術「SMArT(Stacked Memory Array Transistor)」について、「IEEE International Electron Devices Meeting(IEDM)」(2012年12月10~12日…
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【IEDM】Samsungが大容量3次元ReRAMに向けた記憶素子を開発、多値化のポテンシャルも実証
韓国Samsung Electronics社は、NANDフラッシュ・メモリをしのぐ大容量の3次元ReRAM(抵抗変化型メモリ)の実現に向けた記憶素子技術を開発した(論文番号20.8)。書き換え電流が1μA未満と小さいことに加え、電流-電圧特性の非線形性が強く、非選択セルへの電流の回り込みを防ぎやす…
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【IEDM】28nm世代のFDSOIを採用したスマホ向けSoC、STが実チップの特性を披露
伊仏合弁STMicroelectronics(ST)社は、28nm世代の完全空乏型SOI(FDSOI)トランジスタを採用したモバイル機器向けSoC(system on a chip)の実チップの特性を「IEDM 2012」で披露した。ST社の子会社であるスイスST-Ericsson社のSoC「No…
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【IEDM】SoCで存在感高めるSamsung,平面トランジスタの14nm世代以降への延命に意欲
韓国Samsung Electronics社は、SoC(system on a chip)向けのプレーナ(平面)トランジスタを、14nm世代以降へ延命できる可能性があるとの見方を示した(論文番号3.5)。従来、14nm世代以降では立体トランジスタ(FinFET)が必須との見方が支配的だったが、「F…
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「NANDの微細化にはプレーナ型浮遊ゲート・セルが有利」、Micronが招待講演
米Micron Technology社は、NANDフラッシュ・メモリの微細化を進める上でプレーナ型の浮遊ゲート・セルが有利であることを、「IEEE International Electron Devices Meeting(IEDM)」(2012年12月10~12日、米国サンフランシスコ)の招待…
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【IEDM】STがFDSOIの基板バイアスの効用を実証、CPUコアの消費電力を30%低減
伊仏合弁STMicroelectronics(ST)社は、完全空乏型SOI(FDSOI)トランジスタをリング発振回路やCPUコアに適用した場合に、基板側からのボディ・バイアスによって消費電力を大幅に低減できることを実証した(論文番号3.2)。リング発振回路では、ボディ・バイアスを加えない場合に比べ…
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【IEDM】Intel、22nm世代FinFETを用いたモバイル機器向けSoC技術を発表
米Intel社は、22nm世代のFinFET(トライゲート)技術を用いたモバイル機器向けSoC(system on a chip)技術を開発した(論文番号3.1)。SoCを構成する高速ロジック/低電力ロジック/高電圧回路向けにそれぞれ特性を合わせこんだ複数種類のFinFETを、同一チップ上に集積で…
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【IEDM】本会議が開幕、使用後に体内で吸収されるメディカル・デバイスをUniversity of Illinoisが紹介
半導体デバイス・プロセス技術に関する国際会議「IEEE International Electron Devices Meeting(IEDM 2012)」が2012年12月10日(米国時間)に米国サンフランシスコで開幕した。初日の午前中は、基調講演が3件あった。
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【IEDM】大容量のSTT-MRAMキャッシュに道、LEAPがMTJ素子の特性を改善
超低電圧デバイス技術研究組合(LEAP)は、マイクロプロセサのキャッシュ・メモリに使うSRAMの置き換えなどに向けて開発が進められている、スピン注入磁化反転型MRAM(STT-MRAM)の大容量化につながる技術を開発した(論文番号29.1)。記憶素子(MTJ素子)の特性を改善することで、大容量化に…