DaimlerChrysler社のChrysler部門は、第39回東京モーターショーでコンパクトカーのデザインスタディ「Akino」を発表した。車名の由来である“秋の野原”をイメージした、リビングルームのような落ち着いた空間を持つクルマがコンセプトで、コンパクトカーながら大人5人がくつろげる室内とした。


図1◎「Akino」。ボディサイズは全長3724×全幅1799×全高1604mmで、ホイールベースが2413mm。

 運転席側のドアはフロントドアのみで、助手席側はセンターピラーレスの観音開きドアを採用した。ルーフは、リアに向かって二つの山がある「インターロッキングフォーム」とした。リア側の山は、後席上部の大型ガラスルーフが盛り上がっており、後席により多くの頭上空間を確保した。

 内装には、竹製のフローリング、天然繊維とリサイクル可能な合成繊維を使った布材およびカーペット、スウェードのシートなど、リビングに使われている素材を用いた。運転席は仕事場、助手席と後席はリビングという考えから、運転席はシート色がサロンブルーで床面をフローリングとし、助手席・後席はクリーム色のシートとカーペットの床面とした。助手席は回転して後席と対面にもできる。

 今回のコンセプトカーはあくまでもデザインスタディだが、右ハンドル仕様になっており、日本市場を意識してデザインしたとみられる。Chryslerがコンパクトカーを展開していくかどうかは「まだ分からないが、展開するとしたら内装などのデザインにはある程度の高級感は持たせる」(説明員)という。


図2◎リアビュー。サイドウインドーや後部ウインドーには、プライバシーを保護するコーティングを施した。


図3◎リビングをイメージした室内。運転席と助手席はアームチェア、後席はソファとしてデザインした。


図4◎後席はソファをイメージしてクッションを置いた。下部は引き出し式の収納になっている。