これまで日本は、自他ともに認める「ロボット大国」だった。2011年時点での産業用ロボット市場での日本企業のシェアは50.2%と圧倒的。さらにソニーの「AIBO」、ホンダの「ASIMO」のような、応用を広げる取り組みにも積極的だった。

 ところが現在、様相が一変している。米iRobot社の掃除ロボット「ルンバ」は、累計1000万台を超えるヒット商品になった。ソフトバンクのパーソナルロボット「Pepper(ペッパー)」も、開発元はフランスのAldebaran Robotics社である。

 各国政府による技術開発と産業育成の取り組みも加速。米国政府は、人工知能や認識などロボットの基礎研究に、毎年数千万米ドル規模の支援を実施している。欧州では、2014 年に欧州委員会と約180の民間企業・研究機関が共同で「EU SPARC Project」を立ち上げて、総計 28 億ユーロ規模の実用ロボット開発プロジェクトが予定されている。中国政府も、産業用ロボットの国内売上を2020年までに10 倍(約3兆人民元)にする目標を掲げ、ロボット産業の育成に力を入れている。

 今回のテクノ大喜利では、「新時代を迎えるロボット産業と半導体」をテーマに、世界で急速に熱を帯び始めたロボット産業育成の動きと、半導体産業の関わりについて考えた。各回答者に投げかけた質問は以下の通り。

【質問1】
ロボット産業の成長は、半導体市場の成長をけん引するインパクトがあると思いますか?

【質問2】
ロボット産業の成長は、どのような半導体メーカーに新たなビジネスチャンスをもたらすと思いますか?

【質問3】
半導体メーカーがロボット向け半導体事業を育成する場合、戦略策定時に参照できる類似応用市場は何だと思いますか?

表1●回答のまとめ
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