Aging2.0とは何か

 まずは、Aging2.0とは何かについて説明していこう。端的に言えば、シニア市場に特化したヘルスケアイノベーターだ。シニア市場を対象としたセミナーやイベントの企画、ニュースレターの発行と共に、シニア市場を対象とした起業家を支援する米国の組織である。

 約3年前から、シニア関連ビジネスを手がける投資会社、介護サービス会社、不動産会社など大手企業群からの支援を受けて活動を開始。彼らのスポンサーには、シニア向け不動産を中心に60億米ドルを運用するプライベートエクイティFormation Capital社や、ダスキンと提携し日本でも事業展開を行っているHome Instead Senior Care社などが含まれている。

 スタートアップ支援では、「Aging2.0 Academy」というシニア向けビジネスを行うスタートアップのみを対象とした1年間に渡る起業家支援プログラムを実施。業界のプロフェッショナルによるメンタリングや創業資金を提供し、既に30社以上がこのプログラムを卒業している。

 2015年5月18~19日には米国サンフランシスコで「Aging2.0 Global Innovation Summit(以下Summit)」を開催した。Summitは、Aging2.0のスポンサー、支援先企業、業界のキープレイヤーが一堂に会したAging2.0の年次総会的な位置付け。会員制の診療所を展開し急成長を続けるOne Medical Groupの基調講演や、スポンサー8社によるパネルディスカッション、20社以上のスタートアップによるピッチが行われた。

2015 Aging2.0 Global Innovation Summit当日の様子
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 会場では、前述のAcademyに所属する各社をはじめ50社近くのスタートアップ、ベンチャー企業が製品やサービスを展示。大学やNASAと言った公的機関の研究成果を基にしたサービスもあれば、家族の看護をきっかけにシニア市場に参入したIT関連企業など、バラエティーに富んだ企業が並んでいた。